少し前のコロナ禍の影響なのか、最近、あまり人々と触れ合わずともできる “車中泊” を中心とした旅行が、静かなブームになっていますね。
若い頃、私も宿をちゃんと予約せず、車で旅行に出かけるのが好きでした。
たまたま家業の関係で、ワンボックスのバンが家にあったことで車中泊を決意。
キャンピング用品を集めたら、気の合う友人と適当な旅行プランを立て、週末に車を走らせたものです。
どこへ行くかも、どこに泊まるかもその時の気分次第。
そんな旅のスタイルが車中泊旅行でした。
あまりお金がなかったことで宿泊費を節約できる上、自由気ままな旅ができるのが魅力だったんですね。
でも次第に年齢を重ねるにつれて、私は車中泊からだんだん離れていきました。
今回は「なぜ車中泊をやめたのか?」その理由を通じて、これから車中泊を始めようとしている人に向け、リアルなアドバイスをお伝えしようと思います。
若さゆえに楽しめた「不便さ」
車中泊の魅力のひとつは「不便を楽しむ」ことにあります。
このコンセプトは、キャンプにも通じるところがあるでしょう。
狭い車内で、寝袋や毛布にくるまりながら寝る。
朝は道の駅や近くのコンビニでトイレを借り、顔を洗う。
そういう多少の不便さも、「旅の一部」として笑って済ませられたのが、若さのなせる業でした。
時間が許せば、行きたい場所にいつでも行ける。
宿を探す手間が不要で、節約もできる。
自由で無駄がなくて、冒険心をくすぐる旅のスタイルとして、車中泊と言う行為は理想的だったのです。
でもその「不便さ」は、年齢を重ねると「負担」に変わっていきましたね。(+_+)
年齢とともに増してくる身体への負担
車中泊をやめた一番の理由は、まず「体力」の問題でした。
若いころは、フルフラットにならないシートでも丸まって眠れたし、多少の寒さや暑さも我慢できました。
でも40才を過ぎ歳を重ねていくと、体が如実に反応してくるんです。
・翌朝、腰や首がバキバキで起き上がるのがつらい
・夜中に何度も目が覚める
・夏の車内は暑くて地獄、冬は寒くて眠れない
車中泊の設備を整えても、快適とは言い難いのが現実。
キャンピングカーのような車両なら話は別ですが、一般車での宿泊には限界があります。
睡眠の質が悪いと寝不足で、次の日の旅にも影響が出てしまいますからね。
安全面とマナーの不安
年齢を重ねるにつれて、「自分の身を守る」意識も強くなりました。
例えば1人で車中泊をする場合、夜間での安全面が不安です。
街灯のない道の駅や山間部の駐車場での車中泊は、音や人の気配に敏感になります。
「誰かが車を覗いているかも知れない」「夜中にドアを叩かれたらどうしよう」と言った不安が、思っている以上に精神をすり減らすんです。
駐車場に、暴走族が集まって来ることもあるかも知れません。
万が一の襲撃に備えて、駐車中の外の映像を残そうとドラレコの駐車監視機能で録画を続けても、大丈夫とは言えないでしょう。
さらに最近では、車中泊のマナー違反が社会問題になりつつあります。
・無断で、駐車場内にテントや椅子を広げて占拠する人たち
・ゴミを持ち帰らない、道の駅で炊事をするなどの迷惑行為
一部のマナー違反者によって、近年は車中泊が禁止される施設も増えてきました。
どこで泊まれるか、泊まっていいのかどうかを常に気にしながらの旅が、正直なところ、ストレスになって来たんですね。
このような様々な理由で、私は車中泊から遠ざかってしまったんです。
ちなみにこんな理由で、車中泊をやめた人もいますよ。
あるYouTuberさんの動画をご覧下さい。
これを実際に体験したら、あなたも、2度と車中泊はできなくなるかも知れません。(*_*)
協力 怖い話倶楽部さん
無理をやめたことで得られた新しい旅の楽しみ
車中泊をやめたことで、私は宿に泊まると言う旅の良さを再発見しました。
チェックインの時間に合わせたスケジュールを組むことで、計画的な旅ができるようになり、到着後は、旅館なら温かいお風呂や布団が待っている。
ホテルなら素泊まりを選んで、近くの居酒屋で地元の料理を楽しんだり、朝はゆっくりバイキングの朝食を味わったりと・・・。
車中泊では体験できなかった「安心とゆとり」がそこにあるんです。
もちろん、それなりに宿代はかかります。
でも、快適な睡眠に清潔なトイレにお風呂、そして旅先での “地元の人たちの暮らし” を感じる時間は、お金に代えられない価値があると感じるようになりました。
「今の自分に合った旅のスタイルを選ぶ」、それが年齢を重ねた今の私にとって最も大切なことだと思っています。
特にワイフと一緒の旅だと、余計にそう感じるようになりました。
それでも車中泊ならではの魅力は捨てがたい?
現在私は、災害などで自宅に寝ることができなくなった時以外は、車中泊をするつもりは全くありません。
ですが今思うと、景色の素晴らしい場所で車に泊って、早朝、窓から見た外の風景を目にした感動は忘れられないものがありますね。
宿の部屋から見る風景に目を見張ることもあるでしょうが、その部屋はきっと宿泊費がかさむに違いありません。
そう思うと、安く感動を目に留めることが可能な車中泊は、一概に否定できるものではないでしょう。
歩かなくても、目が覚めたら周囲は異次元の世界だったなんて言う体験は、車中泊ならではのもの。
なのでもしあなたが、そんな体験にあこがれて車中泊をしてみようと思うなら、最低必要な布団や毛布そしてシュラフ(寝袋)のほかに、「ブラインドシェード」の設置をおすすめしたいと思います。
これを車の窓に張り巡らせることで、外から車内を覗かれる心配が半減するし、ある程度夏の暑さや冬の寒さから身を守ることができます。
外から中が丸見え状態での車中泊は、絶対に避けるべきです。
それと駐車する際は、できるだけ他の車中泊する車の近くに停める方が良いでしょう。
その方が、万が一危険に遭遇した場合に、助けを呼ぶこともできますからね。
近くに停めると、プライバシーを侵害しないかと言う懸念もあるかも知れませんが、ある程度距離を置くことで、お互いデメリットよりメリットの方を感じるはずです。
でも本来なら、道の駅や公園の駐車場のようなところより、きちんとしたオートキャンプ場に停めた方がセキュリティの上では安心だと思います。
最後に
結論として、車中泊は “若さの特権” かも知れません。
これから車中泊を始めようとしている方にお伝えしたいのは、「車中泊には確かに自由がある」と言うことです。
ただし、その自由には体力やリスクへの備え、周囲への配慮が必要不可欠です。
若いころにしかできない旅もあります。
また、無理をしないこと、年齢や体力に応じたスタイルに変えていくことも、旅を長く楽しむためには大切な選択です。
私が車中泊をやめた理由を知ることは、今のあなたにとってベストな旅のカタチを見つける手助けになるはずです。
旅が、無理なく楽しく安全なものになりますように。
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