『軽自動車は危険だから買うのをやめろって?』そんな事故に弱い車をメーカーは作っている?

 

大型ミニバンやSUVが人気の昨今ですが、一方でとても売れているのが軽自動車(乗用車・商用車含めて)です。

人は皆、大きく見えるもの・強そうに見えるものにあこがれる傾向にありますが、これらを所有するにはとてもお金が掛りますよね?

大型ミニバンやSUVなどは、これに該当すると思います。

 

その点軽自動車は維持費が安いし、狭い道路でもスイスイ走れて日本国内で乗るにはピッタリです。

しかし、この小さな車は危険なので、買わないに越したことはないと言う声が一部で聞かれます。

 

小さなものが大きなものとケンカをすれば、負けてしまうのが常だからでしょうか?

確かに軽自動車は、小さいことによって重量が軽いことがネックになると私も思います。

 

では小さいこと・軽いことが、必ずしも事故に遭遇した際に、より大きな車と比べて危険の要因になると言えるのでしょうか?

そこで今回は、「軽は危険だから買うな!」は本当か?検証してみることにしましょう。




 

軽自動車が衝突に弱いのは車重が軽いからなのは本当だ

 

 

例えば大きなビー玉と、小さなビー玉をぶつけてみましょう。

当たり前の話ですが、まともにぶつかってしまえば、小さいビー玉の方がはじき飛ばされてしまいますよね?

 

これは車であっても同じ。

大きな車と軽四輪車が正面から衝突してしまえば、やっぱり反動で小さい軽四の方が遠くへ飛ばされます。

 

 

ここで特に問題になるのは飛ばされたことそのものより、飛ばされたことで別のものに衝突して、さらに被害が大きくなる可能性があること。

しかも国からボディの大きさを制限されていることで、クラッシャブルゾーンも小さいので、より不利にもなりますね。

 

これは大きなリスクであるのは確かであり、これだけで自動車事故を語ってしまえば、やっぱり軽自動車は危険だと言えないことはないでしょう。

「だから軽には乗るべきじゃない」と決めつける人なら、どう説明しようもありません。

なのでそのように言う人には、もっと大きな車に乗ることをおすすめしましょう。

 

 

ただ、登録車(普通車)に乗っていても、もしぶつかった相手が大型ダンプだったとしたら、軽自動車と同じような状況になり、被害は同等に甚大になると思います。

多少の被害の差は、あるかも知れませんけどね。

つまり、軽四輪がより大きな車との衝突に弱いのは確かなことですが、登録車でもさらに大きな車とぶつかった場合は、同じような被害をこうむる可能性があると言うことです。

 

軽自動車は車重が軽いことで高速安定性も低い

 

 

これも前頁と同じく車体が軽い車は、大きな横風を受ければハンドリングに影響を与え、これが高速走行になるとさらに顕著になります。

高速走行時の風が強い日でも、どっしりと安定したハンドリングを求めるなら、できるだけ重い車両に乗るべきですね。

 

軽四輪は、一般道路ならそれほど横風を受けない状況でも、高速道路だと結構その影響は出てきたりします。

仕事などで高速道路を走る機会の多いドライバーなら、できればより車重のある登録車で出掛けた方が疲労も少ないし、安全走行にもつながるでしょう。

 

その他登録車に比べ軽自動車の安全面で不利な点

 

 

その他軽四輪車で安全面で不利なところと言えば、それはエンジン排気量が660ccに抑えられていることでしょう。

660ccでストレスなく車を走らせるためには、一つの方法として、できるだけ車重を軽くしないといけません。

 

ですが、安全装備品や快適装備品を充実させようとすれば、どうしても相応に重量がアップします。

また、ボディの強度を高める車体構造を施す必要もあるので、全体として軽くするには限界があります。

 

最近の軽四輪の出力は、ノーマルエンジンで50馬力から55馬力ほど。

ところが、車体は軽いモデルでも800kgくらいはありますから、車重を出力で割ったパワーウェイトレシオはコンパクトカーよりも悪いです。

 

 

そのため登録車より加速力に劣り、危険を回避するために急加速をしようとしても間に合わず、衝突してしまうことも。

そんな場面は、信号交差点で右折待ちしている時、対向車の切れ目を縫って、猛ダッシュする際に起こり得るのではないでしょうか。

こう言った側面があるところも、軽自動車は危険だと言われるゆえんなのではないかと思います。

 

軽自動車だからこそ事故に有利と言われる点

 

 

しかしながら、軽四輪だからこそ安全につながるところもあります。

それはまず、小さいがためにとても車両感覚を掴みやすく、スイスイ狭い道路を走行できることです。

 

ボディが大きければどこまでが車体なのか分かりづらく、幅寄せや車庫入れがやりずらいので、どこか周囲と接触する危険性が高まります。

小さなボディの軽四輪車はその可能性が低いので、周りに迷惑を掛けることも少ないでしょう。

 

 

また車体が軽いことで、フットブレーキに負担を掛けません。

そのため急ブレーキを踏んでも制動距離が短くて済み、衝突を回避しやすいメリットがあるんです。

 

衝突するにしても、単独事故なら軽いために衝突時の衝撃が弱く、搭乗員のケガが軽く済む可能性がありますよ。

大きな車の方が丈夫なので安全では?と思うかも知れませんが、慣性重力が大きいことで人が受けるショックも大きいんです。

 

ぶつかる相手が、乗っている車より柔らかければまだ良いのですが、それが岩やコンクリートなど硬いものだと、予想以上に衝突エネルギーを受けてしまうんですね。

この事実は、世間一般には、あまり知られていないのではないでしょうか?

 

軽自動車は新しいモデルほど安全性は高くなっている

 

 

軽四輪車は単純に車対車の衝突だけに特化すれば、より大きな車との対決では、やはり不利と言わざるを得ません。

ですが冒頭で述べた、自動車事故対策機構が行っている前面及び側面衝突テストは、大きな登録車でも軽四輪でも同じ条件の上で行っています。

 

日本の各自動車メーカーが公開している実験映像を見ると、最新の軽モデルでぺちゃんこになったものはどれもありません。

小さく軽いからと言って、登録車に比べ大きく変形した車は見当たらないのです。

目立つことと言えば、軽いがゆえに跳ね飛ばされる距離が、少し大きいことではないでしょうか。

 

とは言え、最新車種ではより大きな登録車との衝突でも、強いモデルが登場しています。

ホンダが公開している動画で、N-BOXとインサイトをオフセット衝突(真正面同士から少し側へずらした位置での衝突)させたものがあります。

これをご覧いただきましょう。

 


協力 レスポンスTVさん

 

50%ほど車体の重いインサイトが相手なので、軽いN-BOXの方がやや大きく飛ばされてはいますが、それは圧倒的な距離ではないことが分かりましたか?

今や軽でも、衝突に強くなっているのは確かなんです。

 

新しい軽自動車は搭乗員を守る装備が充実している

 

 

10年ほど前のものと比べて最新の軽四輪車は、衝突してもそのショックをやわらげる装備や、衝突を避ける装備も登録車と同等なものを搭載しています。

その1つが、運転席・助手席に加えて付け足されている胴体側面を守るサイドエアバッグと、同じく頭部を守るサイドカーテンエアバッグ。

横幅の狭い軽四輪では側面衝突のリスクが高いので、これらサイドにあるエアバッグの装着は特に重要ですよね。

 

衝突を回避するための装備としては、急ブレーキを掛けてもタイヤをロックさせないABS搭載はもちろん、スタビリティコントロールも新しいモデルには付いています。

何せ高速道路では横風に弱い軽です。

風にあおられてもハンドルを取られるのを防ぐこの装置は、とても心強いでしょう。

 

 

それから忘れてならないのが自動ブレーキ。

前方に車や人など障害物があるのをドライバーが見逃したら、車内にあるカメラが検知して、自動的に急ブレーキを掛けてくれるヤツですよ。

 

あと、ブレーキとアクセルを踏み間違えて飛び出すのを防いでくれる急発進抑制装置は、特に多くなっている、高齢ドライバーの事故を減らすのに非常に役立ちますからね。

それと軽四輪でも、最新型のモデルはバックモニターの搭載が義務化されました。

参照:カープレミア

 

非力だったエンジンも、絶対パワーより、低速で大きなトルクを発生するものを搭載するようになり、出足でモタ付くことが少なくなっています。

さらにターボ付きのグレードを選べば、コンパクトカーと遜色ないパワーが得られて、いざと言う時の衝突回避に役立つでしょう。

 

このように、ぶつかった時にショックをやわらげるボディ構造と装備、ぶつからないよう車をコントロールする装置が標準装備またはオプションで選べるようになったことで、必ずしも事故に対して軽四輪は不利にならなくなりました。

こちらの動画でも、軽四輪が危険と決めつけるべきではないと解説していますので、ご覧になってみて下さい。

 


協力 ゆっくり論評さん

 

まとめ (それでもアナタは軽自動車は危険と一概に言い切るのか?)

 

 

さていかがでしたか?

軽自動車は小型で小回りが利き、経済性にも優れています。

 

しかし、大型車と衝突した際のリスクが大きいことで、危険だから乗るべきではないのかどうか検証しました。

確かに2015年頃以前に製造されたモデルは、登録車に比べると安全装備が貧弱だったこともあり、乗るのは避けた方が良かったとは思います。

 

ですが、新しいモデルは安全装備が充実し、軽量ながらもボディが強化されたことで、危険とまでは言えないレベルに向上しています。

その証拠に、最近の軽四輪は昔と比べ随分車体価格が上昇し、200万円を超えるものも登場していますよね?

これは単に贅沢装備が増えたのではなく、多くの製造費用を安全装備に費やしたための結果なのです。

 

今や軽自動車は、コンパクトカーと同等の安全性を持っており、”走る棺桶” とは言えなくなっています。

自動車メーカーは事故に弱いのを認識していながら、売れるからとそれを見逃して軽自動車を製造しているのではありません。

 

そりゃ大型ダンプやトラックと、まともに衝突してしまえばひとたまりもないかも知れませんが、こんな場合、登録車でもコンパクトカーなら同じような結果になってしまう可能性が大きいんですよ。

なのでそもそもコンパクトカーも含め、小さな車は大きな車とケンカをしない装備と、運転技術を向上させることが必須。

日常、街中や田舎道を走るのがメインで、高速道路を走る機会が少ないユーザーであれば、積極的に軽自動車を選ぶことは間違っていないと私は思います。

 

それでもアナタは、やっぱり軽は危険だと言い切りますか?

それともメリットを加味すれば、そうとも言えないと認識を変えますか?

 

 

自動車の空気入れPANP(広告)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください