デジタルインナーミラー(スマートミラー)のリアカメラはバックカメラと兼用することができるか?

 

ドライバーの後方不注意による人や物との衝突事故が、以前から問題になっているのをあなたもご存知だと思います。

人の場合、被害者が立ってさえいれば振り向いて気付くものを、しゃがんでいたりすると運転席から見えず事故を起こしてしまいます。

 

そこで少しでもバック時の事故を減らすため、国交省は今年(2022年)5月以降発売する新型車両全てに、バックカメラ(バックモニター)の装着義務化を行うと発表しました。

5月以前に販売された車輛は新型でも適応外ですが、いずれ日本中を走る車は全てが対象となり、違反すれば車検が通らなくなるようです。

ただ、カメラがなくても後方視界の良い軽トラックなどは、バックカメラではなくバックセンサーの装着義務に緩和されるかも知れません。

 

では、現在2カメラ式ドラレコを装着している車など、リアカメラを取り付けているものは、バックカメラがなくてもこのまま乗り続けられるのでしょうか?

特にデジタルインナーミラー(スマートミラー)は、モニターが大きくリアビューが良く見えます。

 

果たしてこのデジタルインナーミラーのように、「リアビューをモニターできるドラレコカメラは、バックカメラとして流用できる」でしょうか?

今回は、これをテーマにお話をして行きたいと思います。




 

ドライブレコーダーのリアカメラとバックカメラとの違い

 

デジタルインナーミラー「コムテック ZDR038」

 

まずはドライブレコーダーのリアカメラと、バックモニターのバックカメラは違うものかと問われれば、それは違うものと思います。

ドラレコのリアカメラはルームミラーのように、後方の様子をまんべんなく写し常時記録しています。

 

レンズは周りの情報を多く捉えるために、一般的に超広角タイプを用いています。

そのため後続車がかなり接近しているのに、モニター上では随分離れているように見えるんですね。

 

このようにドラレコリアカメラは、距離感を掴むのに慣れが必要なのが欠点と言えます。

また後続車のナンバーが読めるよう、200万画素フルHDクラスのセンサーを搭載するのが現在では一般的。

 

対してバックモニターのバックカメラは、バックする際に近くの様子を確認するため、広角でも比較的画角が狭いレンズを用しています。

それほど高解像度も必要としないため、画素数は30万画素から100万画素程度のモデルが多いです。

 

すぐ近くの人や障害物との距離感を出すため、カメラは車外ナンバープレート周辺に装着します。

そのため、防水仕様になっていることが必須です。

 

ドラレコのリアカメラは既述の目的のために、車外に取り付けることは必須ではなく、車内リアガラスに取り付けることも可能。

なので、防水仕様であることは絶対ではありません。

 

カメラの取り付け位置の違いで映り方はどう変わる?

 

 

ドライブレコーダーのリアカメラの場合、多くはリアガラスの内側上部や、防水タイプならリアスポイラーの内側に設置すると思います。

これだと、ルームミラーの高さと同じくらいになるので、見え具合に違和感を感じないんですね。

 

ただ、広く周囲を録画できるようにとのメーカーの配慮で、ルームミラーと比べるとかなり後続車が離れて見えます。

そのため、慣れないうちは距離感を掴みにくいのです。

 

 

以前流行した、ワイドミラーのような見え方と言えば良いでしょう。

それでも、このカメラの位置なら左右が広いばかりでなく、遠くの車輛の存在を捉えることも容易なのがメリット。

 

ちなみにカメラの装着そのものは、ナンバープレートの周囲にも可能です。

この位置だと自分の車輛の一部と近くの後続車を、カメラのフレーム内に収めることができ、バックカメラに流用するのに問題はないでしょう。

 

 

しかしカメラの目線が低くなることで、夜間後続車のヘッドライトの光軸がもろにカメラに映り込んで、モニターが眩しくてしかたがなくなります。

高性能なHDRやWDRを搭載したモデルなら、それほど気にならないかも知れませんが、普通は耐えられないでしょうね。

 

バックカメラもこの位置に取り付ける訳ですが、ドラレコのリアカメラほど広角ではないことで、ライトの光軸が入りにくいです。

それにそもそも、車をバックさせる時だけモニターに映像があれば良いもの。

 

出典:スタイルワゴン

 

走行中カメラを稼働させなければ、ヘッドライトは気にならないんです。

カーナビのモニターを使うのであれば、走行中は地図を表示しているので、何の問題もありませんしね。

 

ドラレコのリアカメラの場合、特にデジタルインナーミラーは、モニターに常時映像を映し続けていますから、眩しさから逃れられないんです。

と言うことは、バックカメラの位置にドラレコのリアカメラを設置することは、おすすめできないことになります。

 

 

なのでやはりドラレコのリアカメラは、車体上部へ取り付けた方が良いのです。

ただしこの位置だと、車体の一部(バンパーのあたり)と近くの障害物を、カメラが一緒に捉えることは難しくなってしまいます。

 

まさに痛し痒しの状態ですね。

これらのことから、バックカメラとドラレコのリアカメラは、別物と認識した方が良いでしょう。

 

結論 デジタルインナーミラーのリアカメラはバックカメラに流用できない

 

 

バックモニターのバックカメラと、ドライブレコーダーのリアカメラ。

どちらも後方を映し出すものなので、ドラレコのリアカメラも、バックカメラに流用できそうな気がしますよね?

特にデジタルインナーミラーはモニターも大きいので、バックモニターとして充分使えると思いがちです。

 

しかし国交省が求めるバックカメラの基準は、車体の最後部より0.3mから3.5mが見えること。

それに加えて、地上から0.8mの高さのポールが見えることとあります。

 

 

ポールまでの距離が読めるよう、車体の一部もカメラに映るようにしないといけません。

このようにカメラをセットしないと、車検に通らない可能性もあるのです。

 

そうやって考えれば、ドラレコのリアカメラのレンズがバックカメラよりいくら広角でも、ナンバープレート付近に設置する必要があるでしょう。

すると既述のように遠くが見渡せないとか、夜間後続車のヘッドライトが眩しいと言う問題が出て来てしまいます。

 

結局、ドラレコのリアカメラは高解像度で高画質ですが、用途の違いで、バックカメラとして流用するのは難しいと思います。

今後は車のギヤをバックに入れると、カメラの向きが自動的に変化して、バックカメラのように使えるドラレコが登場するかも知れません。

現状ではデジタルインナーミラーを搭載していても、カーナビなど別のモニターで見るバックカメラは、別途に必要だと断言できるでしょう。

 

 

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