車を日常的に使うドライバーに取って、ドライブレコーダーはもはや必需品です。
その中で、現在注目を集めているモデルの1つに『パイオニア VREC-MS700D』があります。
特に、夜間走行中の録画性能に強みがあるとされる本機は、その期待に応えてくれるのでしょうか?
今回は、実際に使っているユーザーの感想を交えながら、画質や機能面に付いてレビューして行きましょう。
VREC-MS700Dの特徴
コンパクトでスッキリ収まるデザイン
VREC-MS700Dはデジタルミラー型のドラレコで、純正のルームミラーに被せる形で装着します。
手に取ってすぐ感じるのは、ミラー本体のコンパクトさ。
幅257.6㎜x高さ72.9㎜x厚み19.5㎜と言うサイズは、ルームミラーに被せてもハミ出すことが少なく、フィット感が良いんですね。
固定は付属のバンドで行うため、本体の取り付けはカンタン。
見た目がスマートなことで、自動車メーカーの純正オプションのような一体感です。
ケーブルコネクタを、本体上部から一段下げた場所に設置したことで、端子が目立ちにくくなっており、車内の雰囲気を壊すことがありません。
カメラは、前後とも小型でミラーから独立しており、ガラス上部にスッキリ収まります。
前方カメラにはGPSが内蔵され、それ用に余分な配線がないのは良いですね。
昼間の画質
本機のカメラは、2つとも370万画素のWQHD(2560x1440p)対応の高解像度仕様。
ダブルクワッドだけに昼間の映像は非常に鮮明で、前後車両のナンバープレートは、近い距離ならはっきり読み取ることが可能です。
視野角は、前後とも水平135度/対角160度とかなり広めで、交差点や合流地点での録画でも安心。
本機は特に色の再現性が高く、信号の色や標識の判別も的確と言えるでしょう。
ドライブ中の風景を記録する用途に使ったとしても、非常に満足度の高い映像品質です。
夜間録画性能
本機の最大の特徴とも言えるのが、夜間録画能力。
実際に市街地から郊外、そして街灯の少ない山道で試してみると、驚くほど明るく録画できるのが分かります。
これは搭載しているソニーの新しいセンサー、STARVIS 2の暗所性能によるもの。
ヘッドライトや街灯のわずかな光を鋭く拾い上げ、映像全体を明るく保ってくれます。
夜の街を走ると良くある粒状感やブレがあまり感じられず、ナンバープレートの判別もそれほど問題ありません。
ただしモニターの明るさがデフォルト状態だと、全体的に露出オーバー気味に映ることがあり、特に照明がほとんどない場所ではその傾向が強いようです。
設定でモニターの明るさを調整できるので、夜間はやや照度を抑えた方が自然に見えると思います。
ここで本機の実際の録画動画を見てみましょう。
昼間・夜間の両方の映像をご覧いただけます。
これはメーカー提供の動画ですが、前後とも昼間は370万画素を生かした、非常に解像度の高い画質になっていますね。
夜間もSTARVIS 2センサーのおかげで、暗部のつぶれの少ない明るい映像です。
動画を見る限りノイズも少なく、明瞭な映りだと思います。
ただこの動画にはないのですが、先ほど記した通り、ほとんど光のないところを走行するとゲインを上げ過ぎて、全体が白く見づらくなってしまうことがあるんですね。
ユーザーが自身でモニターの照度を落とせば、自然に見え違和感のない映像となるのですが、この辺りをメーカー側で上手くチューニングをして欲しいところです。
中国のデジタルミラーにあるような、暗くなると、自動でモニター照度が低くなる機能があっても良いのではないでしょうか?
機能面の充実度
本機のモニターは11インチの大きさで、他機に多い12インチのものと比べるとやや小さくなっています。
実はこの小さいことがメリットとなっていて、左右のサンバイザーの間隔が狭いコンパクトカーや軽四輪車でもミラーが干渉せず、接触することがないんです。
そのため、幅広い車種に対応することができるんですね。
また、本機にはミラーで見える映像の不自然さをなくすため、ズーム機能が備えられています。
対角160度の画角は、かなりの広角で広い範囲を記録できるのですが、純正ミラーの見え方と比較するとかなり遠くに景色が見え、追従する車との距離感がつかめません。
そこで、1.5倍/2倍/3倍と倍率を選んでズームできるようにしたんです。
ズームはワンタッチで行えるので、これは便利と言えますね。
370万画素の解像度を生かし、あまり拡大ボケの出ない視認性の高い映像がモニターできるのも良いでしょう。
駐車監視機能は、別売りの駐車監視ユニットを使うことで、エンジンOFF後衝撃を検知して映像を記録するしくみ。
衝撃検知の前後20秒ずつ記録するので、ぶつけた瞬間を録り逃がすことはありません。
バッテリー保護のため、駐車監視機能は最大24時間まで作動するようになっています。
ライバルと比較して
ケンウッド DRV-EM4800
VREC-MS700Dと同じデジタルミラー型のドラレコとして、ケンウッドのDRV-EM4800があります。
こちらはMS700Dとは違い、解像度はフルHD(1920x1080p)となっています。
ですが画質的に大きく劣ることはなく、フルHDとしては良く頑張ったもので、むしろこちらの方がシャープな感じです。
ただコントラストがやや強く、明暗差が激しい場面では見づらいことも。
それでもが明るさのチューニングが上手いので、夜間不自然に明る過ぎることがないのは良いですね。
絶対的な画質は、やはりWQHDのMS700Dが上だと思いますが、明るさがほとんどない場所では、EM4800の方が自然に見えて好印象です。
本体をルームミラーに取り付けた感じは、フィット感はMS700Dの方が優れています。
EM4800は12インチモニターであることで、純正モニターから大きくハミ出るので、車種によってサンバイザーと接触する可能性があるのです。
また本体の厚みもあるし重量も466gと重く、場合によっては純正ミラーのステーが重みに絶えられなくて、前方へおじぎしてしまうことがあるかも知れません。
VREC-MS700D 引用元:AUTOCAR JAPAN
一方、MS700Dは本体が薄くサイズも小さくて、重さも362gと100g以上軽い。
このため純正ミラーのステーに負担を掛けることがないので、おじぎをしないのではないでしょうか?
私ならこの一件だけで、MS700Dを選びたいと個人的には感じます。
その代わりEM4800は、音声で緊急録画を行える音声コマンド機能や、斜め方向の車両を検知する後方障害物警告機能、それから数々の運転支援機能が付いています。
もし充実した機能にこだわる上級ユーザーなら、こちらの選択肢もあり得るでしょうね。
ちなみに、EM4800も設定操作は全てタッチパネル式となっています。
VREC-MS700Dのユーザーレビュー
それではMS700Dを愛用しているユーザーの皆さんは、本機にどんな感想を持っているのでしょうか?
いくつかユーザーレビューを集めましたので、ご覧いただきましょう。
★「操作性が決め手で選んだ。後方カメラの上下の調整、明るさの調整、拡大縮小のしやすさなどが気に入り購入した。性能より操作性が優先だ。」
★「日中はキレイな映像で特に問題なし。夜は車の往来と街灯が多い場所(カメラがとらえる範囲に光源が多い状態)では、映像が白っぽくなりとても見づらい。白とびして真白になるわけではなく、霞が掛かったような雰囲気。適度に薄暗い状況では問題ない。」
★「ミラー型レコーダーとしてはWQHDは珍しく、素晴らしい高画質での録画だった。夜間でもフロント録画では、ナンバーのひらがなまで見落とさないのが最大の利点と感じる。取り付けは難しいが、初心者でもやれないことはない。メーカー保証3年と長期なので、安心を買いたい人にはかなりおすすめ。」
引用元:価格.com Amazon
まとめ
総合評価としてVREC-MS700Dは、視認性重視で自然な画質を求める人におすすめなモデルだと思います。
夜間でも、街中なら暗所がつぶれず解像度が高くて明るい映像が得られます。
タッチパネルで、簡単に設定変更ができる点も良いですね。
機能豊富とまでは言えませんが、その分ドラレコ初心者も使いやすいのはメリット。
また高級感こそ薄いものの、本体が小型で、純正ルームミラーに被せた時のフィット感が高いところも見逃せません。
小さく軽いことは、ミラーのステーに負担を掛けないことにも貢献するのでマルです。
気になるのは、照明の少ない暗いところでの露出チューニングが甘いことで、周囲の明るさによって全体的に白っぽく見えてしまう点は改良が必要でしょう。
夜間になると、自動的にモニター照度が低くなる機能を搭載するなどの対策を取れば見やすくなり、完成度の高いデジタルミラー型ドラレコとなるはずです。
引用元:パイオニアカロッツェリア
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