2019年の煽り運転・殴打事件以来、必要とされるドラレコは前後2カメラ式では不足で、車内も撮れる3カメラ式だとクローズアップされました。
数年前からすでに死角がほぼない、360度式ドラレコも発売されていますが、残念ながら画質の悪さで人気が今一つとなっています。
3カメラ式ドラレコは、360度式ドラレコの死角の少なさにはかないませんが、2カメラ式のように画質が良いのが魅力ですよね。
そんな中で新たに使い勝手の良い、3カメラ式ドライブレコーダーが登場しました。
中国内外で評判の高いVANTRUEの「N4」です。
今回は、このN4の評判に迫り、レビューしてみたいと思います。
VANTRUE N4の特徴とVANTRUE N2 Proとの違い
VANTRUE社の一貫した製品の特徴はまずデザインにあり、一部のモデルを除いて横長円筒形スタイルが多いですね。
このデザインだと、大型の液晶モニターを搭載することは難しいですが、ボディ全体をコンパクトに設計して、ドライバーの視界を妨げにくくするメリットがあります。
ただボディは小さいのに、他のモデルと同等の大きさのマウントが備えられ、本体と別体化された吊り下げ式のため、全体としては大きく感じられます。
カメラは前方用が本体真ん中に、そしてモニターがある側の右に車内用カメラが内蔵されています。
後方用カメラも同様に円筒形で、これもまた更に小さく後方視界の邪魔になりません。
感心するのは、3カメラともフルHD1080pの高画質録画ができること。
それにフロントカメラに限り、WQ(ダブルクワッド)HD1440pまで高精細に設定が可能なんです。
フロントカメラのみ1台の録画では、2592px1520pのさらなる高画質モードにセットすることもできますよ。
センサーは贅沢に3レンズともSONYのSTARVISを採用し、レンズのF値もフロントF1.4・車内F1.8・リアF2.0とかなり明るいので、暗さにドラレコになっています。
ところで今までVANTRUEと言えば、N2 Proが主力商品でした。
このN2 Proと今回のN4ではどう違うのでしょうか?
それは大まかに言えば、N2 ProはN4からリアカメラを外したもの。
N2 Proは2カメラ式のドラレコですが、前後それぞれにカメラが分かれているタイプではなく、N4のように本体に車内録画用のカメラを備えたモデルなんです。
それからセンサーはリアのみSONY IMX323で、フロントはOmnivision OV4689を搭載してスペックダウンさせています。
レンズのF値もフロントがF1.4 → F1.8へ、車内がF1.8 → F2.0へとやや暗い仕様ですね。
画角は、N4がフロント155度・車内165度・リア160度ですが、N2 Proはフロント170度・車内140度と、ややN2 Proのフロントが広角になっています。
また液晶モニターはN4がIPS2.45インチですが、N2 Proは1.5インチとひと回り小さくなっています。
解像度に関してはN4の画素数が不明なので、両機の直接比較はできませんが、ほぼ同程度ではないかと私は思っています。
GPSはどちらも外付けで、別売りです。
SDカードは両機とも、256GBまでサポートされてはいるものの、付属はしていません。
では肝心のN4の画質を前方だけですが、ある方が録画した動画で見てみましょう。
協力 Chihiiiiiさん
録画モードが不明で圧縮された映像なので、正確な画質の度合いが分かりませんが、これを見る限り高架下の出口も含め、十分きれいな画質と言えるでしょう。
次に、実際の画質と使い勝手はどんなものでしょうか。
すでにユーザーとなっている皆さんの、口コミ・評判でN4を検証してみましょう。
VANTRUE N4のユーザー 口コミ評判
★「現物比較はしていないが、フロントカメラは現行日本製のものと比べてもハイスペックなため、より高画質なのだと思う。事実、本機での録画映像は大変綺麗だった。暗視性能は、特にインナーカメラのIRが有効なのかと思う。一番気に入っている点は駐車監視機能で、かなり敏感に動体感知ができるので、短時間の駐車監視には効果絶大かと思われる。当方UPS300を外部バッテリーとして使用しており、最大7hr程度(衝撃+動体)の駐車に対応できるようにしている。」
★「現在、同じVANTRUEのT2を家族の軽自動車に使っていて、別のSUVに事故の証拠以上に駐車中のイタズラ等の対策が必須事項だった。ただしT2ではフロントしか対策できず、大型のSUVではサイドリアも駐車監視が必須だが、ほとんどのドラレコはバッテリーへのダメージが避けられず、コムテックのものが衝突後の監視スタートも2カメラのみ、ユピテルの360度カメラだと別売りのニッケル水素の高額外付けバッテリーを購入、リチウムでは高温下での不安とどれも決定打に欠けるものだった。そこでこのN4が発売、3カムでの監視エリアの広さ、衝突後の録画開始による車体バッテリーの配慮、スーパーキャパシタ採用リチウム非搭載による耐候性、決定版となった。耐久性等はこれからだが、18ヶ月保証もあるので安心かなと思う。」
★「性能は特に申し分ないが、吸盤なので気温が上がり車も熱くなってくると落ちてしまうので、最初からその対応の取り付け方法だったらよかったなと思った。あと、また吸盤を緩める為にコードを挿し込む所を回すのだが、そのために挿し込み口が屋根の方へ向くので不便だと思う。」
★「3年前に購入したモデルの入れ替え。映像を比較したが、どのカメラも画質が断然綺麗!フロントカメラはやや狭くなり、映像端の歪みはきつくなったが問題にならない程度。車内カメラは画角が広くなり、その恩恵でウインドウ越しに外の様子も撮影できるので、死角をかなりなくすことができる。夜は白黒映像で画質も荒くなるが、以前のモデルは映像が真暗だったので大きな進歩だ。」
VANTRUE N4の評価
さてここから以上を踏まえて、私がN4を評価してみたいと思います。
中国のメーカーでありながら、VANTRUEは以前から評判の良い製品を世に送り出しています。
画質が良いのが最大の特長で、主力のN2 Proでも十分高画質ですが、N4ではさらに上を行く画質と言えると思います。
前方を走る車のナンバーの読み取りが、よりしやすくなっていますからね。
3カメラを使った状態でもフロントカメラをWQHDと、さらなる高画質に設定できるのですが、全てのカメラをフルHDに設定するだけで十分な高画質を得られるでしょう。
ただ、もしWQHDにこだわるならSDカードはできれば256GB、少なくとも128GBを使用することが必須ではないでしょうか。
高解像度のカメラを3台稼働させる訳ですから、カードにはかなりの負担が掛かります。
できるだけ寿命を伸ばせるためには、大容量カードが必要です。
全体的にボディの作りは良く高級感もあり、所有する喜びを感じさせる製品となっています。
しかし、マウントのフロントガラスへの取付けは吸盤となっており、使用中落ちてはしまわないか不安なのが弱点ですね。
マウントは、吸盤式が良いかテープ式が良いか意見が分かれるところですが、本機のリアカメラはテープで貼り付けます。
それに合わせフロントも、テープ式を採用すれば良かったのではないかと思います。
また価格的に高価なのに、GPSが標準で付属していないのも惜しいですね。
GPSは別途購入しても高くはないのですが、マウントと一体になっていて、これも吸盤式になっています。
せめて、GPSだけはマウントをテープ式にしても良かったのでは・・・。
N2 ProはGPSがテープ式になっているので、改善すべきではないでしょうか。
とは言えN4は総合的に見て、魅力あふれるドラレコであることに変わりはありません。
価格が高いので、ドラレコ初心者だと手を出しにくい面がありますが、上級者なら機能を使いこなすことで重宝する製品と感じることでしょう。
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