このところ人気で売れ筋となっている、2カメラ式ドライブレコーダー。
前後の映像が同時に録れることで、安心感が高いのが特長ですが、気になるのはその価格です。
前方のみの1カメラ式モデルなら、1万円程度の価格でも、そこそこ高性能なものが手に入ります。
しかし前後2カメラ式のものは、2万円を超えるものがザラですよね?
メーカー・ブランドにこだわらなければ、2万円以下でもなくはありませんが、やはり品質重視なら国内メーカーにこだわりたいと思うことでしょう。
ところが、ある程度の不便さに目をつぶることができるなら、2万円を切る値打ちな国内メーカーモデルがあるんです。
その1つが「ユピテル WDT510c」。
内容を少しシンプルにすることで、高性能でありながら価格を抑えることに成功した、お手本モデルなんですよ。
今回はこのWDT510cにスポットを当てて、ユーザーレビューを参考に中身を検証し、評価をしてみることにしましょう。
ユピテル WDT510cは、web販売限定にして中身も簡易にまとめたドラレコ
WDT510cはできるだけ低価格を実現すべく、web販売限定としたモデルです。
外箱は飾りのない全面白箱となっており、紙に印刷した取扱説明書もありません。
取説は、メーカーのwebサイトからダウンロードして読むようになっています。
本機WDT510cは、以前好評だったWDT500と良く似た仕様で、この製品の後継モデル。
コストを抑えつつも機能を充実させ、より便利になっての500番台再登板機種なんです。
WDT500と違うのは、フロント・リアともDT510cの方が視野角が大きくなり、より周囲を多く写し込むことが可能になっています。
WDT500はフロントが153度・リアが95度だったのが、WDT510cになってそれぞれ160度・150度に改良されたのです。
ちなみにカメラの画素数は、フロントがフルHD200万画素・リアがHD100万画素で、これは変更ありません。
そして新しい機能として、WDT510cにはアクティブセーフティ機能を搭載。
これは走行中のドライバーに、色んな情報を知らせる警告装置ですね。
そのメッセージは3種類。
1.信号待ちで前の車両がスタートしたのを知らせる「発進遅れ警告」
2.自分の車が走行車線からのはみ出しを検知する「車線逸脱警告」
3.走行中に先行車に接近しすぎたことを知らせる「前方衝突警告」
これらの警告で、ドライバーの安全走行をサポートしてくれると言う訳です。
またオプションの駐車電源ユニットを使用すれば、駐車監視機能を稼働できますが、WDT500ではタイムラプスモードのみだったのが、WDT510cには衝撃検知機能も追加されました。
駐車中に衝突して来た車両の映像を、残すことができるのです。
それからもう1つ、大きく違うのが給電方式。
WDT510cは容易に取り付け配線できるよう、シガープラグコードの付属へと変更されています。
WDT500は車のヒューズボックスから給電する、電源直結コードを付属していたので、配線するにはやや電気の知識が必要でした。
人によっては、自分で配線することができなかったのです。
なお、リアカメラにつなぐケーブルは変更なく、9mのものが付属します。
このようにWDT510cは地味ながらも、あれこれと進化したのです。
ユピテル WDT510cは、単にDRY-7600dPの生まれ変わり?
新しく登場したWDT510cですが、ユピテルには本機と同じシリーズの上級機にDRY-TW7600dPがありました。
これも同じように、web販売限定機種。
製造はすでに終了しているので、入手は困難なようです。
ただ、このDRY-TW7600dPはユピテルのサイトを見ると、デザイン・大きさ・重さとも WDT510cと全く同じです。
内容をパッと見る限り、全く同じ仕様のようでした。
ではWDT510cは、単にDRY-TW7600dPの生まれ変わりなのでしょうか?
詳しく調べてみると、3ヶ所違う点を発見しました。
それはDRY-TW7600dPには、アクティブセーフティ機能が搭載されていませんでした。
また給電方式は、電源直結コードによるものでした。
それからDRY-TW7600dPは “事故時補償制度対象商品” だったのが、WDT510cではこれから外れています。
その内容は、対象商品を設置した車でレッカー搬送を伴う事故に遭遇した場合、ドラレコ協議会から一律4万円の補償金が支払われると言うもの。
これにWDT510cが該当しないのは残念ですが、その代わり実売価格が6000円程低いので、少しでも安くドラレコを手に入れたい人には、この方が良いでしょうね。
ではここで、WDT510cの写り具合を確認していただこうと思います。
と言っても、本機の動画を見つけることができなかったので、カメラが全く同じ仕様のDRY-TW7600dPの映像でご覧いただきましょう。
あるユーザーが録った、雨天時の走行の様子です。
全体の画質や、前後カメラの画角の広さに注目して下さい。
協力 kichou39さん
いかがですか。
雨でも前後とも暗く沈んだ感じにならず、実用性は十分な画質ではないでしょうか?
画角が広くなっても不自然な歪曲は見られず、見苦しさが感じられないのが良いですね。
それでは次に、実際の使い心地はどんなものでしょうか。
いくつかのユーザーレビューを、覗いてみることにしましょう。
その後で、私が本機の評価をしてみたいと思います。
ユピテル WDT510cのユーザーレビュー
★「ドライブレコーダー購入を検討し、保険と言う意味でも、中華でなく日本メーカーを検討。(安価な中華製はリア側のナンバー確認など画質で不安なのと、夏場暑いなどの過酷な車内環境でも安定性を考え)利用されることがないと良いのだが、安心のためにもおすすめだ。」
★「前後カメラでこの値段ならと購入した。大きさもちょうど良く、リアカメラの配線も余裕があり良かった。」
★「取り付けは特に問題なくできる。バックカメラは左右反転するのが気になるが、そういった仕様なのだろう。PCにて反転できるので問題なし。microSD付属はありがたい。」
★「アクティブセーフティ機能として “車線逸脱機能” があるが、利用するためには路側帯や中央線のある道路で、車を停止させた状態で左側白線・右側白線・水平線の設定が必要。その設定には5分程度はかかるので、渋滞の原因どころか、駐車違反で大迷惑しかない。場合によっては追突されて病院送りになる可能性も。なお知り合いの工場の道路を利用させていただき設定したのだが、誤操作や無反応で実質利用不可どころか利用できない。前方衝突も不動作。発進遅れは反対に反応早すぎ。」
★「取り付けは簡単だ。説明書はダウンロードして見て設定する。慣れれば楽なはずだ。SDカードの容量をもう少し大きくしてほしい。」
ユピテル WDT510cの評価
WDT510cは前後2カメラ式ドラレコとして、良くも悪くも無難なモデルだと思います。
メイドインジャパンではありませんが、国内メーカー製品だけに、安心感があるのが良いですね。
必要な機能は、GPS・HDRなど過不足なく装備されており、こだわり派の方でなければ不満になることはないでしょう。
液晶モニターは小さくて実用性は低いですが、再生は基本的にPCで行うことを前提にすれば良いし、小さい分ボディも小型なので視界を妨げないメリットがあります。
アクティブセーフティ機能に付いては、正直なところ、あまり動作の正確さを当てにしない方が無難です。
ユピテルに限らず、他社でもこの手の機能を持ったモデルはありますが、現状ではどこも信頼できる能力を有するものはありません。
しょせん、おまけ程度の装備なのです。
この機能がどうしても必要なら、自動車メーカーが装備するブレーキサポート機能の方を頼るべきでしょう。
画質の方を見ると、フロントはフルHD200万画素と言うことで、必要かつ十分なクオリティです。
リアは100万画素なのがスペック的には役不足ですが、実際にはリア映像なら許せるレベルにあるので、心配はいりません。
ただユピテルに不満を感じるのは、品番が違うのに形や仕様が似たモデルが多くて、ユーザーがそれぞれどう違うのか判別しにくいところです。
もう少し、分かりやすいラインナップにしてもらえないものかと思いますね。
ドラレコの構造に詳しい人でも、判別するのに混乱してしまうのではないでしょうか。
またweb販売限定のモデルは、取説をメーカーサイトからダウンロードすることを理解していないユーザーが多いので、仕様の相違をもっと分かりやすくアピールすべきです。
さて本機、WDT510cはどんなユーザーに相応しいかと言えば、品質の良いメーカーの2カメラ式モデルを、できるだけ安く入手したいと思っている人です。
高性能・高機能にこだわるより、故障しにくいなど信頼性を重視し、なおかつ購入価格を抑えたいと思う人ですね。
その点に付いて、本機は良く応えたモデルだと言えるでしょう。
最後に、本機は2カメラ式モデルの中では取り付けが容易なので、購入する人はぜひ自らの手による取り付けにチャレンジして、より出費を抑えていただきたいと思います。
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