我が国日本でも近年かなりの普及率で、ドライブレコーダーが浸透してきたことは、あなたも周知のことでしょう。
これは車同士の衝突事故が増えたからと言うよりも、悪質な煽り運転の増加が要因になっているからなんでしょうね。
そんな背景から最近の売れ筋ドラレコを注視すると、1カメラモデルから後方にもカメラが付いた、2カメラモデルに移行しつつあるのが流れ。
そればかりか前後カメラだけでなく、サイドの様子まで録画できる3カメラモデルや、360度カメラ+リアカメラモデルも登場して人気になりつつあります。
では、今後ドラレコを購入するなら、やっぱり後方もカメラが付いたモデルが必要なのでしょうか?
今でも立派に販売されている、1カメラモデルでは事足りないのか?
私の考えでは、後方カメラ付きのドラレコを、あえて選ぶ必要はないと自認しています。
それはどうしてかと言えば、後方カメラを取り付けることによるデメリットが生じるからです。
今回はこのデメリットに付いて、メリットと共に述べてみたいと思います。
ドラレコにリアカメラが付いた2カメラモデルのメリット
例えば施設を監視する、防犯カメラを例に考えてみて下さい。
1つのカメラで監視するよりも、複数のカメラで監視する方が怪しい人影を見つける確率は高いですよね?
それと同じことで、ドライブレコーダーも前だけでなく後ろの映像もあれば、自車を追従する車種を特定することができます。
もし追突されることがあっても、どんな状況で追突したのかはっきり分かるでしょう。
また、近頃話題になっている煽り運転車の様子も伺い知れるし、その車のナンバーを読み取ることも可能です。
この映像を基に証拠として警察に提出すれば、相手を捕まえてくれるに違いありません。
リアカメラを利用すれば、バックモニターとして使うこともできます。
さらに最近注目されている、ルームミラードラレコにリアカメラを追加したモデルでは、スマートミラーとして使えるものも登場していますよね。
いずれにせよ、煽って来る迷惑な車とそのドライバーを特定しやすいことで、煽りを抑制することにつながり、安心して運転できるのが大きなメリットと言えるでしょう。
走行中、急に前に割り込んだなどと後続車に因縁を付けられた時、それが本当かどうか検証できるのも、リアカメラの強みだと思います。
これを反映して最近のドラレコの出荷割合は、前後2カメラ式(3カメラ式も含む)が急速に伸びています。
2020年3月13日付マイナビニュースによれば、2017年にはわずか数%だった前後2カメラ式の比率が、2019年には約50%までに上昇しているのです。
出典:マイナビニュース
いかに多くのドライバーが、後ろから迫る車の動向を気にしているか、このグラフを見てお分かりのことでしょう。
今後もこの前後2カメラ式を中心に、複数のカメラを持つドラレコを導入するユーザーが増えることが予想されます。
ドラレコにリアカメラが付いた2カメラモデルのデメリット
しかし、リアカメラ付きドライブレコーダーには、1カメラ式モデルにはないデメリットがあることを認識しないといけません。
何と言っても、まずは機材の価格が高いこと。
1カメラモデルなら、1万円そこそこでも高性能なモデルが手に入りますが、2カメラのものは、同じような性能でも2万円以上の出費が必要です。
それから、さらに覚悟しないといけないのが、高額な取り付け費だと思います。
1カメラモデルは配線がシンプルで、販売店でお願いすると5千円~8千円で済んでしまうでしょう。
ところが2カメラモデルは、1万5千円~2万円程度取られることになります。
単純に言えば2カメラモデルは、1カメラモデルの2倍の取り付け費が必要なんですね。
2カメラモデルの取り付け費がなぜ高いのかと言えば、それはリアケーブルの配線工事に手間が掛かるからです。
リアケーブルはどうしても、車内をリアまで這(は)うことになります。
それを目立たせないように、内張りへ押し込む作業が大変で、当然時間も掛かります。
これが、セダン系の車種ならともかく1ボックスカーだと、より大変。
室内長がかなりあって手間が掛かるばかりでなく、車種によっては付属のケーブルでは長さが足りず、延長ケーブルが必要なこともあり得るのです。
私はレビュー記事を書く関係上、色んなタイプのドラレコを手にしますが、取り付けは全て自分で行うので配線の大変さは知っています。
機種によってはケーブルが太くて、内張りに押し込むことが無理な場合もあるし、延長ケーブルの使用を余儀なくされたこともありました。
カメラをリアガラスではなく車外に取り付ける場合なら、さらに費用が高くなる要素になると思いますね。
それからこれとは別に、前後の映像データを記録するため、単純にデータ量が1カメラモデルの倍ほどになると言うこと。
その分、記録するSDカードにも負担が掛かります。
容量が少ないカードだと、上書きされる回数が増えるので、寿命が来るのが早いです。
Class10以上の高性能なものを使うのはもちろん、さらになるべく大容量のカードを選ぶことも求められます。
1カメラモデルなら32GBでまずは大丈夫ですが、2カメラモデルなら、少なくとも64GBのカードが必要でしょう。
さらに、出費が大きくなると言うことですね。
また別のデメリットとして、これは実際にリアカメラを装着して分かったのですが、雨が降るとガラスに水滴が付き後方がボヤけてしまいます。
セダンなどリアワイパーがない車種は、クリアな映像を残せないことが判明しました。
車外に取り付けたカメラも、レンズに水滴が付いてしまうと、やはり映像がボヤけてしまいます。
リアカメラは、前方だけの1カメラモデルよりできることが多い反面、取り付けを含めたデメリットも多いこともお分かりになったでしょう。
ドラレコにはリアカメラがあえて必要とは言えない
各ドラレコメーカーのラインナップを見ると、2カメラ式モデルが多くなってはいるものの、1カメラ式モデルもちゃんと複数用意されていることが分かります。
それは1カメラ式でも、それなりにドラレコの役目を果たせるからなんです。
でもやっぱり、後ろから煽って来る車の脅威を見逃せないから、2カメラ式にこだわりたいドライバーの気持ちは、理解できない訳ではありません。
ところがリアカメラを付けているからと言って、それを見て煽りを諦めるドライバーなんて皆無です。
そもそも、後続車から先行車のドラレコなど見えませんからね。
1カメラ式モデルしか付けていなくても、リアに目立つ「ドライブレコーダー録画中」のステッカーを付けている方が、むしろ煽り運転の抑止効果があります。
大体あなたの車を煽るドライバーの多くは、たいてい頃合いを見てスピードを上げ、追い越そうとする行動に出ます。
あなたの車を追い越して前に出れば、前方しか録れないカメラにその車が写り込み、特定が可能になりますよね?
ならば、1カメラ式モデルでも広角レンズを使用したものなら、十分役に立つに違いありません。
広角レンズを採用したモデルなら、万が一相手に停止を余儀なくされドライバーが近寄って来ても、顔を写し込むことも可能です。
あなたは決して窓を開けず、相手に目を合わせず一早く警察へ助けを求めることが、最善の行動になります。
もちろんこの場合、2カメラ式や360度式のモデルを使った方が、より安心かも知れませんが、前項のデメリットを述べたように多くのリスクが伴います。
そう考えると、あえてリアカメラを搭載しなくても、基本性能の優れた1カメラ式モデルさえあれば、ドラレコとして不足はないでしょう。
これが私の、ドラレコにあえて後方カメラは必要とは言えない理論です。
果たしてあなたは、どうお考えになりますか?
コメントを残す