『コムテック ZDR037』レビュー評価:HDR360GWと比較してどこが違うのか?

 

このところ360度タイプドラレコのラインナップが増え、同時に性能も徐々に良くなって来ています。

並行して、このタイプの装着率も上昇しているのですが、はやり多くのユーザーが注目していると言うことなのでしょう。

 

そこでまた、新しい360度タイプのモデルが登場しました。

新しいモデルとは、「コムテック ZDR037」のことです。

 

フロントに360度カメラを取り付け、前後・左右を録画するかたわら、補助としてリア専用カメラを備えた2カメラ式ドラレコです。

コムテックには同じ形式のモデルとして、すでにHDR360GWがありますが、これとどこが違うのか比較してみたいところです。

今回はユーザーレビューを参考に、ZDR037HDR360GWとの相違を解説しながら、検証・評価してみることにしましょう。




 

コムテック ZDR037の特徴

 

 

ZDR037は1つのレンズを使って、前後・左右360度を録画するドラレコで、このタイプとしてはかなりのコンパクトボディになっています。

わずか2.3インチと小さいながらも液晶モニターを内蔵し、走行中の映像をモニターしたり、録ったデータをその場で再生することが可能です。

 

解像度はついに800万画素を達成し、これまでの360度ドラレコと比較して、高画質が期待できる製品としました。

リアカメラは今やドラレコでは常識になっている、フルHD200万画素センサーを搭載して、フロントカメラだと小さくしか映らないリアの映像を補完します。

 

またフロントカメラ・リアカメラとも、センサーにSTARVISを搭載して、夜間でも周囲を明るく記録することが可能です。

さらにどちらのカメラもHDR/WDR機能があり、トンネル出入り口での急激な露出の変化を素早く整えたり、ヘッドライトで前方車両のナンバーが白飛びするのを防ぎます。

 

GセンサーやGPSももちろん内蔵し、駐車監視/直接配線コードを別途購入すれば、駐車監視機能を稼働させることもできます。

駐車監視機能の動作設定は3種類あり、衝撃を受けた時のみ録画する「衝撃クイック録画」、駐車中も通常の録画をする「常時衝撃録画」、そして「タイムラプス録画」から選べます。

 

衝撃クイック録画は、センサーが衝撃を感じた時だけ1ファイル録画するしくみ。

常時衝撃録画は、駐車監視機能が稼働している間、ずっと常時録画し続けます。

そしてタイムラプス録画は、1秒に1枚の静止画を撮影して、長時間の常時録画と衝撃録画を行います。

 

その他、SDカードがメンテナンスフリーとなっており、定期的なカードのフォーマットを行わなくて済むシステムを採用。

これは、ユーザーに取って有難い仕様ですよね。

 

さらに、後続車接近お知らせ機能を搭載しているので、後続車の接近をブザーで知らせ、追突を未然に防ぐのに役立つ設計になっています。

万が一の事故に遭遇した場合、電源が断たれその瞬間が録画されないのを想定して、多くのドラレコはリチウムバッテリーを内蔵しています。

ところが、リチウムバッテリーは高温下で発火する恐れがあり、危険リスクを回避するため、本機はスーパーキャパシタを採用して安全性を高めました。

 

コムテック ZDR037とHDR360GWを比較してどこが違うのか?

 

コムテックには本機が登場する以前に、同じ360度ドラレコとして、HDR360GWがラインナップされています。

フロントカメラもリアカメラも、デザイン的に全く異なるこの2機種ですが、内容的にはどこが違うのでしょうか?

比較してみましょう。

 

 

まず大きな違いは何と言っても、フロントカメラの最大有効画素数にあると思います。

HDR360GWの有効画素数は最大340万画素、対してZDR037は最大800万画素に増えています。

 

使っているセンサーの大きさは、360GWが1/2.5インチで、037は1/2.3インチと少し大きくしかもSTARVIS搭載です。

単純に言って、解像度は約2.4倍高精細になっています。

 

一方リアカメラは、360GWが1/2.7インチなのに対し、037は1/2.8インチとほぼ同じ大きさで、有効画素数も最大200万画素と同じです。

レンズ画角も、どちらも対角168度と変わりませんから、リアの画質はほぼ変わらないと見て良いでしょう。

 

 

ただし037は、リアカメラもSTARVISを搭載しています。

昼間はともかく、夜間での明るさに差が出ることは想像できますね。

 

ではここで両機の画質を、メーカー提供の動画で比較してみることにしましょう。

まずはフロントカメラの昼間、そして夜間の動画です。

 

HDR360GWの昼間

ZDR037の昼間

 

HDR360GWの夜間

ZDR037の夜間

 

続いてリアカメラの昼間、そして夜間の動画です。

 

HDR360GWの昼間

ZDR037の昼間

 

HDR360GWの夜間

ZDR037の夜間

 

いかがでしょうか。

フロントカメラの800満画素と340万画素の差は大きく、037は解像度が高いことがお分かりでしょう。

 

特に夜間走行ではSTARVISのおかげで、随分と明るく録画されているのが明らかですね。

夜間でのフレームレートが17.5fpsと、録画コマ数がかなり少ないですが、心配するほど映像のカク付きは気にならないと思います。

 

リアカメラに関しては、どちらも画素数と画角が同じなので、画質的にほぼ同じと言えそうですが、夜間はやはりSTARVISの効果で明るいですね。

037のリアの夜間フレームレートも17.5fpsと少ないものの、気になるほどのカク付きは感じられません。

 

またフロントカメラの垂直視野角に関して、HDR360GWは240度なのに対し、ZDR037は235度とやや狭くなっています。

ですが実用上問題になるほどではなく、他機と比べてどちらも広い方なので、すぐ近くの信号機でも映ってくれるのは同じです。

 

PCで映像の確認ができる専用ビュアーは、レイアウトが変更されています。

映像モニター画面は、037の方が大きくなっています。

推奨するモニターの性能は、360GWでは解像度1366x768p以上でしたが、037ではフルHD1920x1080p以上を求めています。

 

その他、037に付く運転サポート機能が360GWにはありません。

037のウリとなっている、後続車の接近お知らせ機能や、急加速・急ハンドルのお知らせ機能、車速アラーム機能も360GWにはないのです。

 

なお、駐車監視機能は同じものが037にも受け継がれ、SDカードの破損をチェックする機能も同様です。

リチウムバッテリーの代わりとなる、スーパーキャパシタの採用も両機変更なし。

付属するSDカードも32GBと容量に変更はなく、日本国内工場で生産されていることと、メーカー保証期間が3年なのも変わりがありません。

 

では、ZDR037をすでに愛用しているユーザーの皆さんは、どのような感想を持っているのでしょうか?

次項でユーザーレビューを集めましたので、ご覧下さい。

 

コムテックZDR037のユーザーレビュー

 

★「同社の360度モデルからの買い替えだが、前モデル同様、動作に相変わらず不具合はない。映像も綺麗で、動作に不具合が無いというのはあたり前のことなので、安心して使える大事な要素だと思う。」

★「駐車監視も視野に入れて、現状の360°カメラの中ではナンバープレートも確認できるほどのレベルなので、こちらを選んだ。液晶モニターの表示画面も4つ表示の仕方が選べて、好みの表示にできるので良い。しかしやはり360°カメラなので普通のカメラと違い、対象車両が離れていると文字がつぶれてナンバーは確認しずらい。夜間では自車のヘッドライトでナンバープレートが読みにくく、明るい街中ではいいが暗いところとなると映像が暗く、通りすがりのいたずらなどは人物を判別しづらいかと思う。とはいえ現状の360°ドライブレコーダーとしては画質・夜間の明るさなどは一番良いので、360°ドラレコが欲しい方には最良かと思われる。一応128GBまでのmicroSD対応と記載があるが、256GBでも認識してくれた。

★「投資金額の満足度と、宣伝機能を満たしているとは到底思えない。非常にがっかりした製品だ。360°モニターは酷い。ある程度覚悟はしていたものの、高画質で撮っても、夕方以降の前車ナンバーは数字が潰れている。設定上、全てをフルスペックに設定することは出来ない。例えばフロントの解像度を8Mにしたら、リアでHDRが効かなくなるなど制限が掛かる。このレベルなら、HDR360にしておけば良かったと後悔している。」

★「同じコムテックの360度ドラレコHDR360と比較し良い点は、映像の視聴ソフトが使える(HDR360はソフトの要求スペックが6~7年前のPC)。前方ナンバーも十分視認できるレベルになっている。駐車監視クイック録画ができる(バッテリーに優しそう)。SDカードが128GBに対応している所。運転席に見える場所に着ければ小さいけど、バックモニターとして使えなくもない所もちょっと良いなと感じた。」

 

コムテック ZDR037の評価

 

 

ここからは、私がZDR037の評価をしてまとめてみましょう。

これまでの360度タイプドライブレコーダーと比べ、本機はボディがとても小さいことに好感が持てると思います。

ドライバーの視界を妨げず、ほとんど360度ドラレコを意識せず使えるのが良いですね。

 

本機の一番興味を持たれそうな部分は、やはり、有効画素数800万画素がどれほど画質に影響するのかと言うところですが、良く頑張っていると感じたのが私の印象です。

HDR360GWが登場した時は、その時点では、これがが最も高画質と感じたものです。

 

でも先ほどの動画を見ていただいた通り、明らかにZDR037の方が良くなっているのがお分かりでしょう。

とは言え、037でも単純に前方部分だけを切り取って比較すれば、1歩、一般の200万画素機に及ばないのは否めません。

 

見た目、150万画素機に近い感じでしょうか。

これは前方を走る車両のナンバーを、ギリギリ確認できるレベルです。

 

200万画素機だと、これがキチンと確認できますからね。

現状、360度タイプでは、これくらいが精いっぱいと認めるしかないでしょうね。

リアカメラに関しては200万画素機と同じなので、ほぼ満足できる画質を有しています。

 

総合的に画質だけを評価すれば、人気の2カメラ200万画素機に対抗できるレベルとは言えません。

それでもリアカメラも含め、前後左右から迫る車両を捉える能力を有することに、安心感を覚えるドラレコであるのは確かです。

 

そのあたりの違いをどうトレードするかが、ユーザーに与えられた使命と言えるかも知れません。

そうやって考えると、本機の高い本体価格を無視できるのなら、ZDR037>200万画素2カメラ式ドラレコと評価しても良いでしょう。

 

あとZDR037の有利な点を挙げれば、信頼の高いコムテックの製品で日本製であること、3年間のメーカー保証が付いていることだと思います。

本機はドラレコとして、決定打となるほどの完成度は得られていないとしても、360度タイプと限定するならば、かなり高水準な製品であるのは間違いないでしょうね。

 

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