ドライブレコーダーは通常、実店舗販売や通信販売で買い取るものと決まっています。
機器の取り付けが終わると、その後はドラレコ自体が運転中のドライバーを見守り、走行中の様子をひたすら記録してくれる頼もしいヤツになります。
ですが現実には、ただただ様子を記録するだけで、事故や事件の時の手助けをしてくれる訳ではありません。
見知らぬ土地で事故を起こしたり、知らない車に煽られたりして危険な目に遭っても、そこから救い出してくれるものとは違いますよね。
もしもそんな時に、救いの手を差し延べてくれる通信ドラレコがあったら、有難いと思うドライバーは多いのではないでしょうか?
実はあるんです、そんなドラレコが!
それが、「パイオニア ドライブレコーダー+(プラス)」と言うサービス。
購入のしかたは機器を買い取る形ではなく、月額料金を支払うことでドライバーを守ってくれる、サブスクドライブレコーダーなんです。
新しいモデルTMX-DM04-CSを使い、いざと言う時、ヘルプネットのコールセンターのオペレーターとつながって、緊急事態からドライバーを助けてくれるのです。
事実を記録するだけでなく、ドライバーを守るドライブレコーダー+のサービスとドラレコTMX-DM04-CSを、今回検証し評価してみたいと思います。
パイオニア 通信ドライブレコーダーは録画機能に通信機能が付いた新モデル
まずはメーカー提供の動画で、ドライブレコーダー+のサービス内容とTMX-DM04-CSを、ざっと把握していただきましょう。
今までにないドラレコの進化形と言うものを、おおよそイメージできると思います。
TMX-DM04-CSと一般のドラレコと違うのは、本機には、携帯電話と同じような通信機能が付いていることです。
なので本体内部には、SIMカードが内蔵されています。
運転中ドライバーが、「事故を起こした」「車が動かなくなった」「後続車に煽られている」など緊急事態に陥ったとしましょう。
そんな時、本体底部にある緊急通知ボタンを押せば、直ちにヘルプネットセンターのオペレーターにつながり、助けを呼ぶことができるんです。
本体にはマイクとスピーカーが付いており、そのままハンズフリーで話ができます。
状況次第で警察や救急車、故障の場合はJAFを呼んでもらえるんです。
JAF(日本自動車連盟)は有料サービスなので、会員でない方は事前に会員になっておく必要がありますね。
会費は年間4000円(税込)。
また本機を利用していることで、ヘルプネット側には誰からの救援要請なのか分かるので、慌ててパッと自分の名前が言えなくても大丈夫。
そしてGPSにより、ドライバーが現在どこにいるのか把握できるので、自分の居場所を答えられなくても心配ありません。
ちなみエアバッグが作動するほど大きな事故の場合、Gセンサーにより、自動的にヘルプネットセンターに通報される機能を搭載しています。
オペレーターが声を掛けてもドライバーが反応しない時は、その時点で危険な状態と判断し、警察や消防に救援連絡が入るしくみになっているんです。
事故や事件に遭う機会など、一生のうちではそんなにないもの。
パニック状態に陥っても、オペレーターが落ち着いて手順を導いてくれるので、非常に安心と言う訳なんです。
免許取り立ての初心者ドライバー、運転に自信のない女性ドライバー、運動能力の低下した高齢者ドライバーには、特に頼もしいドラレコですね。
事故の通報がヘルプネットセンターに届くと、自動的に家族にあててLINEやEメールで情報が届くサービスも付いていますよ。
どんなに高性能なドライブレコーダーでも、緊急時の救援を乞う機能は現在のところありませんから、この部分が本機の最大の強みと言えるところでしょう。
パイオニア 通信ドライブレコーダーはサブスクでサービスを受けられる
さて、次に一般のドラレコと違う点ですが、冒頭で述べたように、料金が月額制のサブスクリプションになっていることです。
今までにも、法人向けには月額制のモデルはありましたが、個人向けに登場したのはTMX-DM04-CSが初めてです。
本機は、1カメラタイプと2カメラタイプがあり、月額それぞれ2178円(税込)と2728円(税込)となっています。
これには、機器(ドラレコ)代金+サービス利用料+通信費用が含まれます。
ただし、購入時に事務手数料金として、別途に2200円が必要になります。
JAFも会費として年間4000円必要ですが、このサービスを受けたくなければ不要です。
料金の支払いは毎月定額料金を引き落とすので、クレジットカード決済となり、これ以外の支払い方法はありません。
ちなみに途中で解約をしたい場合は、購入後1年が過ぎていれば違約金は発生しません。
解約しても、本体はそのまま返却する必要はなく、他のドラレコと同じように使い続けることができます。
通信機能は使えなくなるので、緊急連絡はできなくなります。
購入して6ヶ月以内に解約する場合は22000円(税込)、12ヶ月以内に解約する場合は11000円(税込)を、違約金として支払わないといけません。
この違約金は言い換えれば、ドライブレコーダー買い取り料金になるんでしょうね。
いずれにしろ1年以内で解約するのは、もったいないことだと言えるでしょう。
パイオニア 通信ドライブレコーダー TMX-DM04-CSのユーザーレビュー
TMX-DM04-CSは2.4インチモニターを内蔵した、タッチパネル操作のドライブレコーダーです。
パイオニアの製品ながら趣味性の高い、カロッツェリアブランドは名乗っていません。
フルHD200万画素のCMOSセンサーを採用し、GセンサーやGPSも備えています。
他機にない特徴としては、AIを使ったパイオニア独自の、安全運転支援システムを内蔵しています。
これは走行する場所や天気、時間・運転傾向の情報を基にして、交通事故のリスクを音声で注意喚起する機能です。
リアカメラとして使えるフロアカメラCD-FLC001は、画素数が30万画素で防水機能はなく、車内でしか使うことができません。
その代わり、レンズ周囲に赤外線LEDを装備しているので、夜間車内が真暗でも乗員の顔を写すことが可能で、暗視カメラとしての機能を持ちます。
リアカメラとして使うなら長いケーブルが必要ですが、9mのものが付属するので、室内の広いワンボックスカーでもほぼ足りる長さです。
電源は車のシガーソケットから取るタイプで、専用のシガープラグが付属。
給電方法はこれのみで、残念ながら、車のヒューズボックスから取ることはできません。
よって本機には、駐車監視機能は搭載されていません。
SDカードはマイクロSDカードを使用し、本機には16GBのものが付いていますが、必要であればSDXC使用で最高512GBまでサポートします。
では、本機の画質はどんなものでしょうか?
実際に使っているユーザーの方の動画で、レビューと共に確かめてみましょう。
協力 狭心症のぶチャンネルさん
フロントカメラの画質は、一般の200万画素機と同等でコントラストも高く、特に問題のないものと言えるでしょう。
良く使う機能をタッチパネルで、たやすく操作できる工夫もされています。
ただ、2カメラモデルのフロアカメラユニットは、30万画素しか解像度がないこともあり、リアカメラとして使うには少し苦しい画質と言わざるを得ませんね。
実用的に使うにはフロントガラスに装着して、車内の様子を録画するのに使うのが良いと思います。
タクシーは、このようなドラレコを使っています。
それから本機の装着に関してですが、基本的にユーザー自身の取り付けが前提です。
一応、メーカーから取り付け動画が公表されているので、これを参考に作業するとスムーズに行くことでしょう。
もし自分で取り付けができないのなら、購入時に取り付け業者を紹介してくれます。
取り付け費は自己負担となってしまいますが、プロの業者が行うので綺麗にまとめてくれますよ。
見栄えにこだわる方は、利用してみると良いですね。
取り付けサービスは「出張取り付けサービス」と「工場持ち込み取り付けサービス」が選べます。
パイオニア 通信ドライブレコーダーの評価
ドライブレコーダー+は、初めから通信機能と月額制にを絞って開発された商品です。
ドラレコ機器の性能・機能にこだわるユーザーには、通信機能には興味を示しても、TMX-DM04-CSそのものには物足りなさを覚えることでしょう。
しかしユーザーのターゲットを、運転初心者や運転に不慣れな女性ドライバー、そして高齢者ドライバーに狙いを定めたことで、一定の方々には支持を受けるに違いありません。
そのために搭載する機能を少なくし、メカに弱い人でも直感的に操作できるインターフェイスとしているのです。
残念だなと思う点は、フロアカメラユニットの画素数が、30万画素しかないことです。
リアカメラとして使うには、実用性が低すぎると言わざるを得ません。
これなら1カメラタイプを選んだ方が、後悔しないのではと感じます。
フロアカメラユニットはタクシーのように、後席にお客を乗せる場合に防犯カメラとしての使い方がありますが、個人ユーザーには不要でしょう。
もし、安全重視でリアカメラ設置にこだわるのなら、後からリア専用カメラを追加した方が良いのではないでしょうか。
詳しくはこちら ⇒ リア専用カメラを増設するならこの4機種から!
あまり地理には詳しくないけれど、比較的遠方にドライブする機会が多い方にも、頼れるドライブレコーダーになるのは間違いないでしょう。
今後、本機のような通信型ドライブレコーダーは機種を増やしていくと、私は期待しています。
パイオニア 通信ドライブレコーダーは、現在当ブログ経由では手に入りません。
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