海外で主流になっているドラレコと言えば、デジタルインナーミラーと呼ばれる、全面液晶ミラー型のモデルです。
日本ではまだ主流とはいきませんが、購入者は段々と増えつつありますね。
ミラー型のドライブレコーダーは、現在多くのモデルがゴムで純正ミラーに被せるか、キャッチャーで挟むかして固定します。
しかし、これらの方法では本体が車の振動で震えたり、ミラーとドラレコの本体の重さにステーの支えが耐えられず、前方に傾いてしまうことがあるんです。
私も過去、デジタルインナーミラーを使いましたが、やはり夏になると支えが重さと暑さで緩み、前にお辞儀をしてしまう現象を経験しました。
支えを補強する必要があるものの、抜本的な対策が見い出せないでいたんです。
そうしてしばらく様子を見ていたら、純正ミラーをデジタルインナーミラーと交換することで、この悩みを解決してくれたモデルが登場したのです。
その1つが「AUTO-VOX V5pro」と言う製品。
純正ミラーをステーごと取り外し、改めてステーの付いたV5pro本体を装着することで、抜群の安定性を得ることに成功しました。
今回はこの、AUTO-VOX V5proの魅力をユーザーレビューの評判で探り、評価してみたいと思います。
AUTO-VOX V5proの特徴その1
まずは、このV5proのプロモーション動画をご覧いただきましょう。
画質が悪くて恐縮ですが、この動画で本機のイメージをある程度掴むことができると思います。
V5proは冒頭に述べたようにミラー型のドラレコで、これから日本でも主流になりそうな、デジタルインナーミラーとなっているものです。
9.35インチの液晶モニターを搭載し、フロントカメラ及びリアカメラにフルHD1080pセンサーを採用。
センサーにはどちらもSONY IMX307を使用、暗さにも強い設計です。
さらにリアカメラは防水加工がなされていて、車外にも取り付けが可能になっています。
台形デザインの本体は、上部幅23.5㎝・下部幅26.5㎝・高さ7.53㎝ですから、ほぼ純正ミラーに準じた大きさですね。
フロントレンズは、向かって右側に内蔵されています。
これが左側に付いたモデルでは、道路中央寄りの映像を録りにくいので、左側通行の日本には向きませんよね?
本機はそれに配慮した設計になっている上に、さらにレンズが上下左右に微調整が可能で、わずかですが回転もするので多少の左右の傾きも修正可能です。
Gセンサー・HDRはもちろん搭載。
GPSも外付けになりますが、ちゃんと装備されています。
ちなみに本機の販売サイトに、64GBのSDカードが付属するとの記述がなされていますが、これは間違い。
SDカードは別途購入する必要があるので、注意して下さいね。
AUTO-VOX V5proの特徴その2
これはやはり、他機と似たデジタルインナーミラーでも、純正交換タイプになっていることでしょう。
ミラー型ドラレコ本体をステーごと、ごっそり純正ミラーと取り替えるモデルは、今まであまりありませんでしたからね。
デジタルインナーミラー型のドラレコは、本体が非常に重いものが多く、400gを超えるモデルも存在するんです。
一般のフロントガラス装着型のものは、せいぜい100g~150gくらいですから、いかにこのタイプが重いかお分かりいただけるでしょう。
こんな重いドラレコを、写真のように純正ミラーに被せるとどうなるか?
ステーの支持部分に負担が掛かり、純正ミラーと一緒に、前にお辞儀をしてしまうことが起こってしまうのです。
そうなると支持部分を何らかの方法で、補強する工夫をしなければなりません。
私もかつて金具等で補強をしたことがありますが、本音を言えば、デジタルインナーミラーは少々苦手でした。
このような悩みを持った人は、私に限らずいるのではないでしょうか?
本機はこの概念を覆すように、純正ミラーとステーごと取り替えてしまうことで、この悩みを解決しています。
ただし全ての車が、ガラスとステーの取付け部の形状が同じとは限りません。
もし、次の写真のような形状のものなら、そのまま交換することが可能です。
これを事前に確認するには、純正ミラーの裏側にある品番を見ることで分かります。
「Murakami7225」「Murakami7227」と刻印されているのなら、間違いなくOKのようですね。
そうではなくとも、実際にステーを外して下記の写真6枚と同じ形状のものなら、本機に付属するアダプターを利用して交換ができます。
AUTO-VOXによれば国産車なら、トヨタ・本田・マツダ・三菱・日産・スバルであれば、基本的にどの車種でも取り換え可能と言うことです。
さらに自分の車に適合するかどうか心配なら、接合部の写真をAUTO-VOXにメールで送れば、取り付け可能かどうか購入前に判断してもらえるそうですよ。
それとも対応するアダプターがないのなら、それに合ったステーを無料で提供してくれるサービスもあるので、問い合わせてみるのも良いでしょう。
AUTO-VOX V5proの特徴その3
さらにV5proは、本体から出るケーブルが独立せず、まとまっているのも特徴です。
通常、2カメラミラー型ドラレコのケーブルは、電源用・リアカメラ用・GPS用と3本必要なのですが、本機は1本になって出ているだけです。
そして、このケーブルを付属の電源ケーブルと接続、その先からそれぞれが分かれる仕様になっています。
これに関連して、本機の給電はシガーソケットからではなく、車のヒューズボックスから行う設計。
簡単にシガーライターに接続と言う訳ではないので、電気の知識があまりない人は、取り付けを業者に依頼した方が良いかも知れません。
でもその代わり、車のヒューズボックスから給電することで、駐車監視機能をオプションなしで使えるので、これがまた1つのメリットにもなるでしょう。
駐車監視機能は衝撃検知タイプで、検知後30秒間録画を行います。
それから、リアカメラのケーブルの長さは6.5mあり、リアカメラとつながったケーブルも1.5mあるので、合計8mあることになります。
車体の長い車種でも多くが足りるのではないでしょうか。
さて、肝心の画質も非常に気になりますよね。
下に、あるレビュアーの動画ありますので、こちらをご覧になっていただきましょう。
協力 HOUSE WITH GARAGEさん
最近話題の4Kのような超高画質仕様ではありませんが、フルHDモデルの中では特に綺麗と言えるのではないでしょうか。
昼間はやや暗い感じで映るようですが、解像度は十分に高く視認性は良いと思います。
ただリアカメラは、全体的にややザラ付いた感じに見えますね。
では次に、すでに本機を愛用しているユーザーの皆さんは、どんな感想を持っているでしょうか?
レビューをいくつか集めましたので、使い心地など確かめてみましょう。
AUTO-VOX V5proのユーザーレビュー
★「純正交換タイプのため後付け感が無く、何と言っても表に出る配線が一本だけなのでミラー周りがゴテゴテせずスッキリだ。取り付けは簡単だと思いきや、常時&ACC電源が取れるヒューズが余っておらず仕方がないので、常時電源確保のためにバッ直線を車内に引き込んだりリレーの配線を考えたりしている内に、完成までに3時間もかかってしまった。リアカメラの取り付け位置は純正カメラの横が理想的だったのだが、丁度良いスペースが空いていないので、暫定的にウインドブロッカーに両面テープで貼りつけた。視野角が広くなったため左後ろの死角が見えるようになり、肝心の映像もかなりキレイだと思う。夜間での視認性も良好で、田舎道でも安心だ。」
★「前のタイプは重くて走っているうちに下がって来たので、ステーを取り付けていたが今回はその必要がない。画質も良くリアカメラも夜走ってても綺麗に見える。前のは白飛びして見れなかった。ただミラーに切り替えるのがやり難く、スクリーンセイバーの切り替えでするので、ミラーまでに1分ほどまたなければいけない。バックモニターとして使用すると良いのだろうが映り込みが少ない角度にすると、フロントカメラが正面より左に向いてしまうので・・・。」
★「2021年式mazda3に取り付け。画質は十分で問題無し。ミラー交換はポン付できずに付属のNO.2交換パーツを使用する。この交換パーツが癖モノで、締め付けに使用するボルトと付属のレンチのサイズが微妙に合わず、空回りして締め付けできない。私はたまたま同サイズのレンチを持っていたので何とかなったのだが、こんな細いレンチ(1mm位?)普通は持っていないと思うので要注意だ。それとミラーと交換パーツを固定するネジも、長さが足りなくて締まらずガタガタ。これも手持ちの少し長いネジで対応。さすがは中華クオリティ、こう言うことはレビューにもYouTube取り付け動画にも出てこないが、私のだけ?」
★「素人には取り付けるのは難しい。リアカメラの配線にしてもルームミラーの取り外しにしても、車をいじったことがない人がやると最悪不動になる可能性がある。ある程度自信がある方、そういう人が知り合いにいる方にオススメ。ドラレコの性能としては値段がそこそこ張るだけあって、まぁまぁ良い。インテリア性を考えると、巻きつけ固定式と比べると、シュッとスタイリッシュにまとまる。外から見る巻きつけ式の不格好さに気付いてしまった人には断然オススメ。コストパフォーマンス最強とは言わないが、満足度は高いドラレコだと思う。」
AUTO-VOX V5proの評価
ここからは私が、これまでの記述を参考にしながら、AUTO-VOX V5proの評価をして行きましょう。
すでに述べたように本機は、純正のルームミラーとステーごと交換することで、見栄えの良い装着感を実現しています。
本体から伸びるケーブルが1本だけと言うこともあり、全く後付け感がないのが素晴らしいですね。
また重い本体を純正ミラーに被せる他のモデルは、ステーの支えに大きな負担を掛けることになります。
その結果、ミラー前部がバランスを崩し前方へ傾くのですが、本機ではこの現象が皆無になるのでデジタルインナーミラーファンには嬉しいことです。
ただ全てが上手くいくばかりではなく、それなりのリスクも伴います。
純正ミラーにも色んなメーカーが存在し、ガラスとステーの接合部分の形が統一されておらず、それをドラレコメーカー1社が全てに適合させるのは難しいこと。
多数のアダプターを用意しても、どうしても一筋縄ではいかないことはあるようです。
本機を購入しようとするのなら、事前の確認をしっかりしないと、結局自分の車には取り付けられない事態に陥ってしまいます。
ある程度車いじりに慣れた人なら良いですが、そうでない人は要注意でしょう。
肝心のドラレコ性能は信頼度の高いもので、フルHD1080pのセンサーながらSONY製を採用するなど、画質はとても良いと思います。
しかし本機の弱点を強いて言うなら、車種によってはフロント映像左側に、自動ブレーキなどの装置が映り込んでしまいます。
旧型V5のように、レンズが右へスライドする機能を残すべきでした。
いずれにせよV5proは、ドラレコ初心者には取り付け方において、少し敷居が高い部分があります。
なので、デジタルインナーミラー(スマートミラー)にこだわる、中級者以上のユーザーに相応しいモデルであるのは確かでしょう。
価格も、決して安いとは言えませんしね。
または
コメントを残す