四輪自動車用のドラレコは、すでに2台に1台の割合で普及している一方で、同じように道路を走るバイクのドラレコ普及率は、未だ低いままです。
走りの上では車より速いバイクですが、事故には弱い乗り物。
ライダーからすれば万が一の事故に、どのような状況で遭遇してしうのか、痕跡をしっかり残したい気持ちが強いことでしょう。
これまでは、アクションカメラをヘルメットに取り付け、ヘルメットカメラとして走行映像を残したものですが、長時間の連続録画には限界がありました。
そこで車と同様に車両のバッテリーから給電して、常時録画が可能なバイク用ドラレコが、近年登場しつつあります。
バイク用ドラレコは自動車と違い、特に小型で振動や雨に強いことが求められます。
各社いくつも製品をラインナップする中、上記の条件をクリアするおすすめモデルがありますので、紹介しましょう。
それは、前後2カメラバイク専用ドラレコ「AKEEYO AKY-958N」です。
バイク専用として使い勝手や画質はどうなのか、今回AKY-958Nをレビューや評判で、検証・評価してみたいと思います。
AKEEYO AKY-958Nは前後2カメラ/WiFi/防水仕様ドラレコ
まずはこちらの動画で、AKY-958Nの商品概要をご覧下さい。
おおよその製品の特徴を知ることができます。
本機はドラレコ本体と前後カメラ2台、それからワイヤードリモコンで構成されます。
バイク用であっても時代は2カメラ式であり、各カメラはIP67・本体はIP65の防水仕様になっています。
本体にはモニターがないので、サイドボックスなど目立たない場所へ装着するのが基本。
リモコンには、手動で別ファイルに録画できる緊急ボタンと、WiFi機能をON/OFFするボタンが1つになって付いており、これをハンドルに取り付けます。
常時録画するための電源は、エンジンのNO/OFFと同期するしくみです。
本体の操作は専用アプリを入れたスマホから行い、映像の確認やSDカードに記録したデータのダウンロードも同様。
センサーは前後ともフルHD200万画素、フレームレートは25fps、レンズの画角は130度の準広角仕様です。
それに、32GBのSDカードと日本語取扱説明書が付きます。
GPSにも対応していますが、不要なユーザーのために別売です。
車用ドライブレコーダーにはない特徴として、本機はAIノイズリダクション機能が搭載されています。
これは同時録音されるバイクの騒音を、AIで電気処理により、最大-12dB低減してくれるものです。
バイクの録画映像を再生すると、やたら大きなノイズが聞こえますが、それを小さくしてくれるのです。
単に音量レベルを抑えて録音するのとは違うので、全体的に音が小さくなる訳ではありません。
取り付けに関しては車のリアカメラと同じく、やや配線が困難で、特にバッテリーから電源を取る作業がメカい弱い人だと苦労しそうです。
最も、こうしたことは本機に限ったことではなく、他のモデルでも同じです。
もし取り付けに自信がないのなら、メカに詳しい知人か、業者に任せた方が良いかも知れませんね。
全体的に製品はしっかり作り込まれており、中国製だからと言って、引け目を感じることはないでしょう。
AKEEYO AKY-958Nがあえてモニターを失くしたのはなぜか?
ところでAKY-958Nには、かつて旧製品AKY-958がありました。
本機とAKY-958の大きな違いは、液晶モニターのある/なしにあります。
AKY-958には3インチの大型モニターがあったのですが、新型のAKY-958Nではこれを廃止しました。
廃止した理由は、いったい何だったのでしょうか?
それはバイクには、あえてモニターを搭載する必要はないのでは?と言うメーカーの考えだからです。
この手のドラレコでWiFiがあるのなら、本体をハンドルではなく、アクセサリーボックス内に装着するユーザーが多いです。
そうして映像のモニターはスマホを使い行う訳で、本体のモニターは使いません。
モニターを思い切って廃止してしまえば、本体を小さく薄く作ることが可能になります。
小さく薄くなれば、ボックスに装着しやすくなるメリットも生じます。
そんな訳で本機はモニターを廃止して、長さ94.8㎜x幅56㎜x厚み21㎜に小さくなっています。
また、本来モニターがあるべき部分をアルミパネルで覆い、放熱しやすい仕様にしているのです。
このように本機はバイク用ドラレコとして、いくつものメリットを備えていますが、ここで気になるのはやはり画質だと思います。
そこで、あるユーザーが録画した動画を見つけましたので、お見せしましょう。
昼間と夜間、両方の映像を見ることができますよ。
協力 全趣味半端さん
いかがでしょうか。
ドライブレコーダーとして、いざと言う時の記録としてなら不足はないものの、フルHD200万画素センサー搭載機としては少し不満ですね。
ピントと発色は良いですが、全体的にエッジを効かせすぎて粗い印象です。
同じフルHD200万画素でも、動画内の車の記録映像は鮮明なので、防水機能など車用にはない機構が画質に影響するのかも知れません。
あと、カメラがバイクの振動の影響を受け、映像が揺れるところも気になります。
では今度は、他のユーザーの皆さんは、本機にどんな感想を持っているのでしょうか?
ユーザーレビューをいくつか集めたので、次の頁で確かめてみましょう。
AKEEYO AKY-958Nのユーザーレビュー
★「カメラの設置は両面テープに耐久性の不安があり、取り付け場所も決まらなかったので、別にPLOTのステーと汎用L字ステーを使った。説明通り本体はかなり熱くなる。録画映像としては満足だ。耐久性に関しては、今後・・・だ。取り付け方法にも配慮してもらえると星5を付けられたと思う。」
★「確認用のモニターが無い方がハンドル周りがシンプルで良いと考えたが、実際に付けてみて正解だったと実感している。取り付けについては、配線経験があれば容易だ。カプラ接続のため取り付けも容易だった。一度、電源が10秒ほどで切れてしまうという現象が起こりサポートセンターに連絡したところ、すぐに返信を頂いた。リセットスイッチを押したところ直った。1年間の保証があることも教えて頂いたし、サポート面は嬉しい。電源は、キーと連動してオンになるためリモコンを使うことはないが、一応設置している。耐水性は今のところ問題ない。画質についてもGoProなど最新のアクションカムと比較してしまうと粗さは目立つが、万が一の際の確認用ということであれば十分だと感じる。」
★「取り付けはACC電源をどうするか多少の知識は必要だが、簡単に取り付けることができた。画質はそこそこだと思う。フレームレートが25fpsなので、ややカクカクしている感じも。スマホアプリで設定できそうだが、専用アプリDVR Motoはインストールできたが利用できなかった。売りになっているノイズリダクションは、好みによるかもしれないが、自分はあまり良いとは思わなかった。microSDカードは128GBまで対応しているが、FAT32でフォーマットしなければならない点は少し面倒かも。また全部のコードが長いため、シート下がごちゃごちゃする。」
★「この商品はそこその値段で及第点の性能で、ドライブレコーダーをとりあえず付けたいというニーズにあっていると思う。バイクの形によっては配線のために、カウルの取り外しが必要など難易度が変わるが、ADV150では素人取付けだが、2時間程度で取り付けができた。アプリを利用してカメラの写り方を確認でき、設置の直しが無くて助かった。カメラの画質だが、バイク発進時はどうしても振動が大きく映像が揺れるが、一定の速度に来ると揺れが収まり、昼ならすれ違う車のナンバーが確認できる程度の画質があった。」
AKEEYO AKY-958Nの評価
ここからは以上を踏まえて、私がAKY-958Nの評価をしてみましょう。
自動車用のものと比べバイク用のドラレコは、限られたスペースでの設置や雨天時での使用、エンジン等からの耐振動など、設計するのは結構難しいと思います。
そんな中で本機は、これら過酷な条件をいくつもクリアしているモデルとして、推奨できると言えますね。
画質は全体的に粗さを感じさせるものの、実用性は十分クリアして、比較的近距離なら前後の車両ナンバーを読み取るクオリティは保持。
無駄な液晶モニターを廃止し、その分本体を小型化させ、WiFiによるスマホ利用で利便性を確保しています。
少々アプリが使いづらいと言う声もあるものの、本機はこのスマホでの操作方法がベストと言えるでしょう。
似たような使い勝手のモデルは他社にもありますが、本機は価格をグッと抑えているので、購入するにはこちらが有利です。
ただ気になるのは他のモデルと同じで、それは画面の揺れ。
原因はエンジンの振動や道路のデコボコにあるので、現状ではユーザー側で対処しないといけない問題ですね。
あともう1つ。
本体とカメラのケーブル配線は、車体をはわせるのに少し苦労がともないます。
これらが面倒で、ドラレコをためらっている方には、シンプルな取り付けと配線が可能な、同じAKEEYOのAKY-610Lが向いているかも知れません。
1カメラ仕様になってしまいますが、1ボディで設置は楽だし、給電も内蔵バッテリーやモバイルバッテリー等から行えます。
でもやっぱり、常時、エンジンのON/OFFで自動的に作動させたり、2カメラ録画にこだわるのなら、やはりAKY-958Nの導入を考えるべきでしょう。
バイクが何よりも好きで、安全なツーリングを目指すあなたなら、本機のようなドラレコは必需品と言えるのではないでしょうか。
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