海外では一般的なデジタルインナーミラー(スマートミラー)ですが、日本でも少しずつ普及しつつあるようです。
そもそも我が国では、ミラー型ドライブレコーダーはあまり人気がなく、私も見かけたことは多くありませんでした。
でも純正ミラーのように、本体全面に表示されるこのドラレコは、一度見てみるとその大きさに感動を覚えるほどです。
それが好評で、徐々にですが売れ始めて来たと言う訳なんですね。
で、私もこれまで2機種使ってみたんですが、実際に使って確かに良いと思う点と、逆にこれはちょっとねと感じた点が見えて来たんです。
そこで私が実際に使って分かった、「デジタルインナーミラードラレコ」のメリット/デメリットを、今回あなたにしっかりお伝えしようと思います。
使ってみたモデルはAKEEYO AKY-360SとVANTOP H612R
私が使ってみたデジタルインナーミラーは、AKEEYO AKY-360SとVANTOP H612Rの2つです。
どちらも中国メーカーのもので、製造も中国となります。
AKY-360Sは、フロントカメラが360度の360万画素仕様で、SONY STARVISセンサーを搭載した前後2カメラ式デジタルインナーミラー。▲
リアカメラは、フルHD200万画素タイプのものです。
そしてVANTOP H612Rは、フロントカメラに最高4Kの高画質センサーを採用した、こちらも前後2カメラ式のデジタルインナーミラー仕様となります。▲
リアはフルHD200万画素タイプとなっていますが、フロントカメラを2Kまで抑えることで、リアカメラ画質を2Kまでアップ可能です。
両機とも11.88インチの大型モニターを内蔵しており、形も良く似ているので、同じ液晶ユニットを採用しているのかも知れません。
その2機種を使い、私が感じたメリット/デメリットは、次の頁の通りです。
デジタルインナーミラー(スマートミラー)のメリット/デメリット
メリット
1.まずは何と言っても、本体全面に表示される液晶モニターに圧倒されます。
一般のフロントガラスに装着するモデルは、せいぜい2インチ~3インチ程度しかないので、大きくモニター表示されるのは非常に気分が良いです。
ドラレコをデジタルインナーミラーに買い換えた人の多くは、このモニターの魅力に惹かれたことが大きな理由になるでしょう。
2.広角レンズを採用しても、周囲を大きく表示させることができます。
横長の表示なので上下は切れてしまいますが、モニターを指で上下させれば表示する範囲を変更可能です。
ちなみにモニターに見えない部分も、ちゃんと全部録画されています。
3.リアカメラを車両の一番後ろに装着することで、リアシートが人や荷物で一杯になっても、後方視界が守られます。
視界をさえぎるほど荷物で一杯になるのは稀でしょうが、3列シートの車で定員まで乗ると、純正ミラーでは確かに後方が見辛くなりますからね。
4.液晶モニターが大きいために、タッチパネルを採用した機種がほとんどで、その操作感はまるでスマホのようです。
小さなスイッチをカチカチ押すよりも、タッチパネルの方が押しやすいし、スワイプで画面の明るさや画角を素早く変えられます。
5.リアカメラをバックギア連動に配線すれば、バックモニターに変身します。
バックギアに入れると、自動的に車幅を示すラインが表示され、映像も下端へ移動するので、パックモニターのない車には非常に便利。
6.純正ミラーと違ってドライバーが交代しても、いちいちミラーの角度を調整する必要がありません。
ミラーを調整したとしてもリアの見え方は変わらないし、下手に調整すると、フロントカメラ一体モデルでは前方の映像の向きが変わってしまいます。
7.モニターに映る映像が、純正ミラーより明るく鮮明です。
夜間でも実際より明るく映し出され、視認しやすくなります。
特にリアカメラにSONY STARVISを採用したモデルでは、その傾向が強いですね。
デメリット
メリットがあれば、それなりにデメリットもあるもの。
デジタルインナーミラーならではのデメリットを、お伝えしましょう。
1.液晶モニターの表面が鏡になっており、それ自体がミラーとして使えますが、映像を映すと鏡の反射でモニターが見難くくなります。
私はその対策として、AKEEYO純正の無反射フィルムを表面に貼り付けました。
おかげで反射は皆無になりましたが、普通のミラーとしては使えなくなるので、その点注意しないといけません。
2.リアカメラを車内に取り付けた場合、雨天時に水滴で後方が見えなくなります。
リアワイパーが装備されている車なら、ワイパーが水滴をふき取る範囲内にカメラを取り付けます。
リアワイパーがない車に取り付けるなら、カメラ前方、ガラス外側に撥水シートを貼るのがおすすめです。
3.本体をゴムバンドで純正ミラーに被せるモデルは、次第にゴムが劣化します。
なので、いずれ新しいものと交換しないと本体が脱落する危険があり、注意が必要です。
4.GPSが搭載されるモデルでは、ユニットが外付けになります。
そのためにケーブルが1本必要で、本体から出るケーブルが電源用・リアカメラ用・GPS用と3本になるため、少しうっとうしくなります。
5.デジタルミラー本体に重量があり(400gほど)、純正ミラーのステー可動部にかなり負担が掛かります。
そのため車種によっては可動部が重さに耐えられず、本体が前方に傾いてお辞儀してしまう可能性があります。
実は私に取ってこれが一番厄介な問題となり、AKY-360SでもH612Rでも対策を講じないといけませんでした。
私は100円ショップで購入したケーブルフックや、柔らかめの金属パネルを加工したものに両面テープで可動部を固定、さらにネジ滑り防止剤を可動部に塗り補強しました。▼
見てくれは悪いですが、一応解決に至っています。
AUTO-VOX V5proのように純正ミラーとステーを取り外し、本体ごと交換するモデルなら、この問題は起こらないと思います。
ただ、交換ステーをフロントガラスに取り付けるのが厄介で、ユーザー自らが作業するのは、少々敷居が高いと言えるかも知れません。▼
デジタルインナーミラーは性能的にどう?中華製が多くて国産は見ないが?
現在デジタルインナーミラーや、スマートミラーと呼ばれるドラレコの、9割以上が中国製です。
国産のものはほとんどなく、大手ではセルスターのCS-1000SMくらいしかありません。
CS-1000SM セルスター デジタルインナーミラー(ドライブレコーダー機能付き) CELLSTAR
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なぜ日本のメーカーには、このタイプのドラレコがないのでしょうか?
それは、そもそもミラー型ドラレコが、我が国では売れ筋ではなかったからでしょう。
また世界シェアが9割を超える中国メーカーに、今さら日本メーカーが太刀打ちできる可能性が低いことも、背景にあると思います。
大金を投じてデジタルインナーミラーを開発するより、中国メーカーにOEMで製造してもらった方が安く出来ますしね。
現在ドラレコ関連で日本が優位に立つパーツは、STARVISで有名なSONYのセンサーくらいしかありません。
それでは中国メーカー製のドラレコの性能は、どれくらい優秀なのかお分かりですか?
激安製品でもない限り、日本メーカー製と同等かそれ以上です。
日本メーカー製のものであっても、激安製品ならユーザーの評判は良くありません。
ですからmade in chinaとうたっていても、日本メーカー製品と同等の価格のものであれば、性能的に劣るなどの心配はないでしょう。
私が所有しているAKEEYOやVANTOPの製品は、どちらも値段がそこそこ高いこともあり、高性能だし未だ故障もありません。
もしも一概にmade in chinaがmade in japanに劣ると言うのなら、made in chinaの日本メーカー製品も品質が劣ることになりかねませんからね。
中華製であれ国産であれ、製品には故障が生じることはあります。
なので、中国製品が故障したからと言って、そのメーカーの製品は全てがダメと決め付けるのは間違いでしょう。
ユーザーの口コミ/レビューで評判が良い製品は、国産であれ中華製であれ、同等の評価をすべき時代になったと私は思います。
そんなところで、あなたがもしデジタルインナーミラーが気に入ったとして、それが中華製であっても評判の良い製品であれば、何ら気にする必要はありませんよ。
まとめ
と言う訳で、デジタルインナーミラーを選ぶにも、どこの国の製品であるかと言うことより、どこのメーカーのどの製品が良いかを優先して考えるべきです。
デジタルインナーミラータイプのドラレコは、先進的なデザインで操作性も良いので、これから日本でも需要が伸びて行くことでしょう。
それなりにデメリットがあるのは、他の型式のドラレコと同じようなものです。
先ごろ一部の国産車に、純正でデジタルインナーミラーが搭載されましたね。
これからはドラレコを選ぶにあたって、後付けのデジタルインナーミラーを選択肢に入れることが、日本でも普通にあると私は確信しています。
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