日本でも半数を超える車に搭載されるほど、ドライブレコーダーは普及していますが、それはドラレコ自体に魅力が増したことにも一因があるでしょう。
注目されるのは、単なる鏡であるルームミラーがドラレコと合体して、スマートミラー化しつつあることですね。
このスマートミラーは海外で特に普及率が高いようで、海外メーカーからは次々と新型が登場しています。
個性的なモデルの多いAKEEYOからも、新しいデザインと機能を搭載した、スマートミラー型ドラレコが発売になりました。
その名は「AKY-NV-X ナイトビジョンシステム」です。
フロントカメラに超強暗視センサーを採用して、それほど灯りのない場所を走行しても、まるで昼間のように明るく録画ができるんです。
今回はこのAKY-NV-Xを、いち早く手に入れることができたので、自分の車に取り付け、その見え具合や使い心地をレビューしてみたいと思います。
AKEEYO AKY-NV-Xは本体モニターをダッシュボードに設置するデザイン設計
まずはAKY-NV-Xをパッケージから開封し、中身を確認してみましょう。
外箱はブラックカラーに統一されて、ちょっとマニアックな雰囲気です。
高級感はないものの、スッキリシンプルなところに好感が持てます。
本体は一般のスマートミラーに多い、11.26インチのモニターを内蔵。
本機は良くある純正ルームミラーに被せるタイプではなく、付属のスタンドを使ってダッシュボード上に設置するのが特徴です。
スタンドは両面テープで接着する仕様で、一旦はがしても貼り直しができるテープを採用しています。
貼り直しができると言っても接着力は強く、1度貼ったら簡単には剥がせません。
そして、32GBのマイクロSDカードが付属します。
これまで私は、何台もスマートミラーをレビューして来ましたが、多くが純正ルームミラーにゴムのアタッチメントで固定するタイプでした。
実はこの方式に、私は疑問を持っていました。
スマートミラー式ドラレコは本体重量がかなりあり、取り付けると純正ミラーのステーに大きな負担を与えます。
この重みで、純正ミラーごと手前におじきをすることがあり、そんな時はステーを補強しなくてはならないんですね。
本機も実測で420gありました。
ドラレコとしてかなりの重量だと思うのですが、本機はダッシュボードに設置するタイプなので、ステーが痛む心配がなく大変良いと思います。
本体から出ているケーブルですが、これは最初は1本にまとまっています。
途中から分岐して、前後それぞれのカメラ用・電源用・GPS用と、4本になります。
フロントカメラは本体から独立して、両面テープでガラスに貼り付けるタイプ。
このカメラには本機の最大のウリである、超強暗視センサーを採用しており、そのボディは少々大きく124gと重いです。
センサーはSONY製とのことですが、STARVISのような名前は付けられていません。
そしてリアカメラは防水加工を施された作りで、車内でも車外でも取り付けが可能となっています。
ただしリアカメラには、超強暗視センサーは搭載されていないようです。
リアカメラ用のケーブルは単体で7mほどあり、本体から伸びるケーブルの分岐点からカメラまで、最長8.4mになります。
アルファードのような大型ワンボックスでも、十分足りる長さでしょう。
GPSは外付けタイプで、長さ3mのケーブルが付いています。
このGPSはできることなら、ミラー本体に内蔵だったら良かったんじゃないでしょうか。
そうすれば、分岐点から出るケーブルが1本減って3本となるため、配線がラクになりますからね。
それから必要な付属品が、この給電用シガーアダプターです。
これが大きめなサイズで、シガーソケット周りにやや場所を取る感じがありますね。
あと、リアカメラ用ステー及び両面テープ、内張り剥がしとレンズクロスが付きます。
取扱説明書は付属しておらず、webサイトからダウンロードしないといけません。
なお、駐車監視機能を使うのに必要な常時電源ケーブルは、オプションになっています。
駐車監視機能は、車が衝撃を受けると17秒間録画を行うシステムです。
AKEEYO AKY-NV-Xをマイカーに取り付けてみた
AKY-NV-Xの取り付けですが、各機器の設置とケーブルの接続に付いては、それほど困難ではありませんでした。
ミラー本体は取扱説明書によれば、運転席前方のダッシュボード上に設置することを推奨しています。
私の車は、ダッシュボードの運転席すぐ前方が平坦ではなく、ひょうたんの腹のように湾曲しているので設置が不可能でした。
助手席前方は可能でしたが、ここにはエアバッグが内蔵されているので、取り付けそのものが禁止されています。
なので今回は上の写真のように、センターコンソールのベンチレーター上としました。
フロントカメラはルームミラーの後ろ側に取り付けました。
なるべく運転の視界を妨げないよう、位置を調整して貼り付けたつもりです。
リアカメラはリアハッチのガラス上部真ん中に、内側から取り付けることにしました。
本機にはリバースモードがあり、これに従った接続をすることで、バックギアに入れるとバックのガイドラインを表示させることが可能です。
もしリバースモードを使用するなら、リアカメラをバックモニターとして見やすいよう、車外の低い位置に取り付けると良いと思います。
さて各機器の取り付けは無事完了したものの、配線を目立たなくさせる作業には手こずってしまいました。
リアカメラに続くケーブルは、運転席床側にある内張りをはがして、目立たないように配線できましたが、ミラー本体から分岐点あたりのケーブルは上手く隠せませんでした。
特に、本体から伸びる始めの方は1本にまとめたため太くなっており、ダッシュボード内部に配線できなかったのです。
結局私は、いずれ別のモデルを装着することを考慮に入れて、ダッシュボードからAピラーにかけて、ケーブルをムキ出しの状態で固定することにしました。
写真の通り少々見苦しくなってしまいましたが、使い勝手に関して実用上問題ないので、これで大丈夫でしょう。
そしてこのまま使っているのですが、位置的にルームミラーがある場所より、ダッシュボード上の方が自然に目線を向けられるので、私はこれで良しと思いました。
スマートミラーは純正ルームミラーと比べ、人によっては素早くモニターへピントを合わせにくいと言われます。
私の感じたところでは、本機のモニターは、自分の目の高さより少し低いところに位置します。
しかもダッシュボード中央に位置することもあってか、ピント合わせが苦になることがありません。
もしかしたらこれは、ダッシュボードに設置するメリットの1つなのかも知れませんね。
AKEEYO AKY-NV-Xの操作の様子(タッチパネルはスムーズ)
それではAKY-NV-Xに表示される、モニターの様子を見ていただくことにしましょう。
本機はエンジン始動後10秒ほどで完全に立ち上がり、録画スタートの状態になります。
まず最初は、全体の操作イメージをご覧になって下さい。
設定は、ほぼ全てをタッチパネルで行うようになっていて、操作はスムーズです。
大型パネルを生かして、横スワイプにより、フロントカメラのみ・リアカメラのみ・2カメラ同時に表示を変えられます。
リアルタイムに表示される画面はとても綺麗で、リアのみの表示にすれば完全にスマートミラーになり、134度の広角で後方の様子を捉えます。
対してフロントカメラは67度と、それほど広い画角にはなっていません。
その代わり、フロントカメラはSONY製超強暗視センサー(名称不明)を搭載、暗い夜間走行時でも昼間のように周囲を映し出すことが可能です。
後で改めて述べますが、録画もホントに明るいんです。
そして先ほどの動画にもあったように、本機にはBSDスマート障害物検知機能と言うものがあります。
これは、リアカメラの死角に入ってモニターに映らない、隣の車線後方から迫る車輛を、オレンジ色の表示とチャイムによって知らせてくれるもの。
隣の車線から追い越して来る車に気付かずに、あなたがうっかり車線変更して、衝突してしまう事故を未然に防いでくれる機能なんです。
走行時はこのように、モニター上で表示されます。
参照:AKEEYO
この機能は、まだ車線変更に慣れていない、初心者の人には効果的な機能ですね。
この機能を有効にするには初期設定が必要で、先に車線を登録しておきます。
設定のしかたを、動画でまとめたのでご覧下さい。
設定時は、車線とセンターラインがしっかり描かれた道路上で、停車した状態で行う必要があります。
でも日本の道路では、なかなかこんな場所見つからないですよね?
なので、自動で設定を完了させるのは難しいかも知れません。
私も何度トライしても上手く行かなかったので、手動で車線と道路の先をタップして設定しました。
ただこの機能の設定は、1度済んでしまえば何度も設定し直す必要はないので、それほど面倒に思うこともないでしょう。
ほかにも色んな機能が搭載されているAKY-NV-Xですが、操作そのものはどれも直感的に行えるものばかりですから、全体的に扱いが困難だと感じることはないと思います。
ちなみに私は、カーナビのすぐ上部に本機を設置したのですが、テレビやラジオにノイズが入るような現象は皆無でした。
きちんとノイズ対策された機種と言えるようです。
と言うことで、いよいよ次の頁では、実際に本機で録画した動画を披露いたしましょう。
AKEEYO AKY-NV-X その驚くべき超強暗視センサーの実力
それでは最初に、AKY-NV-Xのフロントカメラとリアカメラの、昼間の走行映像をご覧下さい。
リアカメラは、ルームミラーと同じ見え方になるよう、鏡像で録画しています。
そこで、モニター上で左右を正位置にするため、編集時にソフトで正像に戻しました。
本機はフロントカメラもリアカメラも、200万画素・フルHD画質です。
録画スピードは、フロントが30fps・リアが25fpsとなっています。
どちらも特別高画質とは言い切れないものの、動きは滑らかだし、ドラレコとしては十分な画質です。
色調はややあっさり系で、前方を走る車輛や後方から続く車輛のナンバーは、低速であればハッキリ読み取れる性能は持っています。
画角の広さはリアカメラは十分ですが、フロントカメラは比べると狭さが目立ちます。
しかし見え方そのものは自然なので、不満を覚えるほどではありません。
次にフロントカメラ・リアカメラ、それぞれ夜間の走行映像です。
夜間でもフロントカメラの映像は良好で、周囲が暗くてもほど良く明るく、暗部のディティールも視認しやすく記録されています。
先行車のナンバーも、自車のヘッドライトで白飛ぶすることなく、ちゃんと読み取れることがお分かりでしょうか。
対してリアカメラの映像は、それほど暗いと感じることはないものの、照明が当たらない部分に結構ノイズが見られます。
解像度は明らかに、フロントカメラの方が優れていると言える画質ですね。
後続車のナンバーは、かなり近くまで寄ってくれないと読めません。
ですがドラレコとして、実用性を失っていない画質ではあると言えるでしょう。
それでは今度は、スーパーナイトビジョンの画質を確かめてみたいと思います。
リアカメラの映像で、真暗な道を走行していることを確かめて下さい。
いかがでしょうか?
フロントカメラの映像は、ヘッドライトの灯りだけしかないのに、ヘッドライトが当たっていない部分のディティールも見えたのがお分かりでしょう。
ヘッドライトを消すとノイズは発生するものの、周囲のディティールは確認できるところに、STARVISを超えた暗視効果を感じ取れたのではないでしょうか。
しかもほぼ真暗になっても、暗視カメラのようにモノクロ映像にならず、カラーになっているのが凄いですね。
現時点では本機をしのぐ明るさで録画できるドラレコは、恐らく存在しないと思います。
AKEEYO AKY-NV-Xの評価・まとめ
今回AKY-NV-Xを使ってみて、私が最も気に入ったところは、大きくて見やすいスマートミラーをあえてルームミラーの位置ではなく、ダッシュボードに設置する設計としたことです。
スマートミラーは、リヤビューを確認するのが重要なんだから、ルームミラーの位置に設置するのが当たり前と言う意見もあるかも知れません。
しかし実際に取り付けて使ってみると、ダッシュボード上で設置した方が、目線の移動が少なくて見やすいんですね。
また純正のルームミラーに被せる仕様にすると、どうしても純正ミラーのステーに負担を掛けてしまいます。
本体重量が400gを超えると言うのは、一体型モデルと比べて2倍以上重いので、そのままではステーが傷んでしまうこともあり得ます。
その心配がない本機に、好感が持てると言う訳なのです。
ただしダッシュボード上に設置すると、どうしても目に付いてしまうのがケーブル。
しかも本機の場合、本体から出ている太いケーブルが、途中で4本に分岐します。
これを上手く隠すのは、素人では至難の技ですね。
私は自分流の方法でまとめてしまいましたが、キレイにスッキリとまとめたい人は無理をせず、専門の取り付け業者に依頼した方が間違いないでしょう。
画質に付いて述べると、昼間はどちらの映像もまずまずですが、フロントカメラの夜間の明るさは、暗視カメラ並みの実力を持っているのは確かです。
周囲が真暗でもヘッドライトの灯りがあれば、広い範囲でノイズレスでクリアに録画されますからね。
しかしリアカメラの夜間性能は平凡で、明らかにフロントカメラに劣るので、もう少し夜に強いセンサーを使っていれば良かったと思います。
昼間の走行時はあまり性能差を感じないだけに、惜しい気がします。
カメラの死角に入って映らない、隣の車線から追い上げて来る車を、光と音で知らせてくれるBSDスマート障害物検知機能も、今までにないもので便利です。
免許取り立ての車線変更が苦手な人に取っては、頼れるアシスタントとなるでしょう。
では本機は運転が苦手な人のほかに、どんなユーザーにおすすめなドラレコと言えるでしょうか?
それはドラレコを、単に万が一の事故記録装置と考えるのではなく、普段から安全ドライブ意識が高くスマートミラー式ドラレコに憧れている人。
多少値段が高くても、安全運転に寄与するならば、そんなモデルを積極的に使いたいと考える人です。
これにあと価格に見合った耐久性があれば、決して高過ぎることのないドラレコとして、メカ好きのこだわり屋さんにも支持されることでしょうね。
私も本機を当分の間使い続けて、様子を見守りたいと思っています。
または
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