2022年になって、ドライブレコーダーは前後2カメラ式モデルが普及して、いよいよ佳境に入った感があります。
2カメラ式モデルとは別に画期的なデザインの、全天球レンズを採用した360度式モデルもありますが、視認性の悪さで人気は今一つです。
そこで次のモデルとすべく、メーカーが考えた新型ドライブレコーダーとして、3カメラ式モデルがボツボツと現れてきました。
日本では、ユピテルから全天球レンズを用いない、marumie Y-3000が3カメラモデルとして登場しています。
そしてカーメイトからも、新しく3カメラ式モデルがデビューしました。
それが「ダクション360D DC4000R」です。
Y-3000とは異なり全天球360度レンズを採用した、3カメラ式ドライブレコーダーとしています。
今回はユーザーレビューも交え、ダクション360D DC4000Rの魅力を検証、評価してみたいと思います。
ダクション360D DC4000Rは360度レンズの弱点をカバーした3カメラドラレコ
まずはメーカー提供の動画で、ダクション360D DC4000Rの商品概要をご覧下さい。
これで本機の、大まかな内容を把握できるでしょう。
DC4000Rはカーメイトのドライブレコーダー、ダクション360シリーズの第三弾として発売されました。
ダクション360シリーズはどれも、基本的に360度式モデルとして設計されています。
先に発売されたDC3000とDC5000は、全天球レンズであることを生かし、マウントから外してアクションカメラとして利用が可能です。
でも今回のDC4000Rは、純粋なドラレコとして開発されたので、アクションカメラとして使うことはできません。
その代わり360度式ドラレコの弱点として、前後の車両のナンバーが読み取れないところを、別途に前後カメラを追加することで解決しました。
3カメラ仕様とすることで、周囲の車輛の動きをくまなく記録しながら、前後の車輛をハッキリと録画できるようになったのです。
本機のフロント本体とリアカメラを見ると、前後2カメラ式ドラレコのようですが、フロント下を注視すれば全天球レンズがあるのが分かります。
ここが今までのドラレコと違うところであり、このようなデザインを採用した結果、360度の視野を確実に捉えることができる訳ですね。
そして、2.7インチの比較的大きなモニターも搭載できたのです。
フロントカメラは全天球レンズの視野が広いことで、他機のレンズより画角を96度と狭くして、先行車のナンバーの視認性を高めています。
ただしフロント本体は、2つのレンズを搭載したため若干ボディが大ぶりで、ドライバーの目に入りやすいの気になるところです。
リアカメラのレンズは131度と超広角としながら、センサーにSONY STARVISを採用して、リアガラスがスモークになっていても明るく録れる仕様です。
リアケーブルは8.9mもの長さがあるため、全長の長いワンボックス車でも十分対応できるでしょう。
残念なのはDC3000やDC5000で可能だった、スマホとの連携ができなくなってしまったことです。
そのため、本機にスマホが使えないことの差し替えで、液晶モニターが新設されたのかも知れません。
ちなみに解像度は、360度カメラは1920px1920p 360万画素、フロントとリアカメラは1920px1080p 200万画素と標準的で、32GBの専用SDカードが付属。
SDカードはダクション360専用品が付属されますが、フォーマットフリーではなく、小まめなフォーマット作業は必要です。
代わりにSDカードの診断機能があり、フォーマットの時期や劣化などの時に、音声でお知らせしてくれます。
操作は本機右側の4つのボタンで行うようになっており、タッチパネルは採用されてはいません。
しかし設定そのものは困難ではないので、特に操作で悩むことはないと思います。
そんな訳で、実際にどのように録画されるのか気になることでしょう。
メーカーから昼間と夜間の走行映像が公開されていますので、画質と共に確かめてみることにしましょう。
■昼間
■夜間
いかがですか?
特別に高画質でもなく標準的な画質と言えそうですが、ドラレコとしては、それぞれ十分なクオリティを有しているのではないでしょうか。
次に、ユーザーの目で見た使い心地はどんなものでしょうか。
いくつかレビューを集めたので、次頁で確かめていただきましょう。
ダクション360D DC4000Rのユーザーレビュー
★「フロント・リアともに申し分ない画質。前後の車のナンバーをしっかり確認できる。夜間でも前方の車のナンバーが白飛びしない。無料の専用パソコンソフトを使えば、後から明るさの調節ができるので、よりクリアな映像を確認できる。360°カメラもあるので、前・後ろ・側方も切れ目なく撮影できる。車内の状況はもちろん、窓越しに見える側方の状況も鮮明だ。リアも高画質なので、あおり運転などに遭遇した場合でも後方全体の記録をくっきり残してくれるので、いざという時の備えになる。」
★「操作ボタンも大きく何より運転手側(本体右側)についているので、駐車時に運転席に座ったまま操作できるのがありがたい。製品HPで紹介されている通りのキレイな映像が撮れている。またライトを付けないくらいの薄暗さや夜間でもキレイに撮れている。価格は安くないが、安心を買うという意味でも性能とのコスパを考えると、こちらの商品にして良かったと思う。」
★「前方のカメラは360度とフロントカメラを内蔵し、液晶は2.7型、筐体サイズは122x92x47㎜とドラレコとしては最大サイズだ。左からリアカメラの接続ケーブルが出ているが、これもジャック部が妙にデカい。重さも206gと重く、それを支えるマウント部分も幅広で、普通のドラレコよりかなりデカい。大型車以外は(使用を)避けた方がいいだろう。リアカメラも今のドラレコはどんどん小型化している中、ちょっと大きめに感じる。液晶の周囲の額縁が広いのに前面ボタンを配置していない点、タイムラプスが選べない点、リアが高視野角な点はややイマイチだ。」
★「本体の液晶画面での視認性は今一つだが、パソコンの専用ビュアーが良くできている。暗所やヘッドライトの反射等も専用ビュアーがかなり見易く補正してくれる。ナンバーの視認性が大変高い。トンネルなどの白飛び補正も、かなりがんばってくれている。基本的にビュアーで確認する感じだ。」
ダクション360D DC4000Rの評価
ここからは以上の情報を踏まえて、私がDC4000Rの評価をしてみましょう。
360度カメラを中心に前後カメラを追加して、3カメラドラレコとした本機のコンセプトは、かなり実用性が高いものと認められます。
先行車・追従車の詳細が確認しづらい360度カメラの弱点を、みごとに前後のカメラが補完していますね。
おかげで、前後と左右周囲の様子含めて明確に捉えることができます。
画質は全体的にややコントラストが低い傾向にありますが、文字・数字はクリアに記録できるので、ドラレコとして十分に合格と言えるでしょう。
ユピテルの3カメラドラレコ Y-3000の方は、リアカメラに車内に向けもう1つカメラを追加したモデル。
こちらも前後左右の死角を極力少なくしており、人気機種となっていますが、死角の少ない点では本機の方がより優っていると言えます。
ユピテル marumie Y-3000
ただ本機で気になるのは、ボディが大きくて、運転中少し目障りに感じる点です。
左側ケーブルジャックに抜け止めカバーがあることも、さらに本体を大きく見せてしまっています。
リアカメラにしても、他機と比べると大きい方になるでしょう。
それと私が特に気になったのは、付属する電源アダプターです。
これも妙に大きくてシガーソケットに挿入すると、手前にかなり張り出す感じで邪魔になりますね。
出典:カーグッズチャンネルさん
できれば駐車監視オプション(DC203)も一緒に購入して、電源ヒューズを介して給電するようにしたいものです。
そうすれば駐車監視機能が使えるし、ダッシュボードの周りもスッキリさせることができるでしょう。
ただし、本機の駐車監視機能は設定の仕方がややこしくて、戸惑ってしまうことがありそうです。
3カメラ式ドラレコだけあって、価格も高いし機能も多いことで、どちらかと言えばドラレコ初心者には持て余す製品と言えるかも知れません。
取り付けを自分で行えるほどの上級者なら、本機の持つ機能を十分生かせるのではないでしょうか。
性能・機能の面でドラレコ最高峰の内容なので、走行時や駐車時の映像記録にかなりこだわるユーザー向けドラレコなのは確かだと思います。
または
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