ドライブレコーダーのユーザーの中には、ドラレコを単に保険の1つとして捉え、ちゃんと録画さえできればそれで良い人がいます。
一方で、いやいやどうせ録るなら信頼できる品質のモデルを使って、機能や性能にこだわった映像を残したいと言う人もいるでしょう。
後者の場合、その方が万が一の事故等の映像をしっかり録画でき、安心と思えるからに違いありません。
ドラレコメーカーもそんなユーザーの声に応えて、フラッグシップ機の開発を行う訳ですが、人気メーカーのケンウッドにも、こんなモデルが存在します。
それは、最長100時間もの連続録画に対応する「DRV-MR870」です。
他機にはないSDカードダブルスロットを搭載し、いざと言う時の映像を取り逃がさない、タフな性能を手にしたモデルとしているんです。
今回はこのDRV-MR870に焦点を当て、フラッグシップ機としての魅力を、ユーザーレビューを交えて追求し評価してみましょう。
ケンウッド DRV-MR870がフラッグシップ機と呼ばれるゆえん
DRV-MR870は、日本で最も人気の高いスタンドアローン形式の前後2カメラ式ドラレコで、昼夜問わずとにかく奇麗な動画を残すことを目指したモデル。
1/2.8型 500万画素CMOSとした、SONY製STARVISセンサーをフロントだけでなく、リアのカメラにも採用しています。
そして2560px1440pと言う、WQ(ワイドクワッド)HD画質を達成。
これは約3Kに相当する画質になるんです。
3K画質を前後カメラに搭載すると、かなりのメモリーを必要としますから、本機は128GBのSDカードまで対応するものの、それだけでは録画時間が十分とは言えません。
そこでダブルスロットで、2枚のカードが使える仕様としたことで、連続で最長約100時間の録画を可能にしました。
また使用するレンズは、前後とも明るいF1.6 対角134度の広角を採用。
STARVISと相まって、夜でも前後明るい映像を提供してくれるところが、フラッグシップの証の1つと言えますね。
フレームレート(シャッタースピード)は29.1fpsとなっていますが、容量の小さなカードを使っても長時間録画ができるよう、9.7fpsや3.2fpsに落とすことも可能です。
あまり実用的なフレームレートではありませんが、タイムラプス的な動画を意図的に作りたい場合には使えるかも知れません。
録画機能で特に特徴的なのは、AIセンシングと呼ばれる機能。
走行中後方車から煽られた場合、危険運転を察知してドライバーに知らせるとともに、別ファイルでその様子を録画してくれるのです。
ドライバーが慌てなくても、自動的に煽り運転を記録してくれるこの機能は、とても頼りになります。
本機の液晶モニターの大きさは、2.7インチしかありません。
走行中に相手の動きを目で確認するのは難しいですが、後から犯人を特定するには大変役立つことでしょう。
駐車監視機能は、別売の車載電源ケーブルを利用することで使えるようになります。
駐車中にGセンサーが車体の振動を検知すると、60秒間2台のカメラが録画を行うしくみです。
その他SDカードメンテナンスフリーや、SDカード寿命告知機能も搭載して、フラッグシップ機に相応しい機能と性能を持ち合わせています。
などなど、DRV-MR870は高性能や高機能にこだわる反面、あまり気を使わずに録画を続けたいユーザーには、打って付けのドラレコと言えますね。
では、実際の本機の画質はどんなものでしょうか?
あるユーザーの方のドライブ映像がありますので、特に気になる夕方から夜間に掛けての走行の様子を見てみましょう。
協力 やmaGっち。さん
ヘッドライトの直射や、野外看板の白飛びがやや気になるものの、全体的に明るくて黒つぶれがないところに好感が持てますね。
後から映像を趣味で残して、動画作品を作りたい意図があるなら、この画質が生きて来るでしょう。
次に、他のユーザーの皆さんは本機を使用して、どんな感想を持っているでしょうか?
いくつかユーザーレビューをピックアップしましたので、次の頁で確かめていただきたいと思います。
ケンウッド DRV-MR870のユーザーレビュー
★「この商品の良いところは、画質がきれいなのとSDカードが2枚入るところだ。価格はかなり高いのだが使い方は難しくなく、あまり多くの選択項目もないので良いと思う。コムテックとかなり悩んだが、画質に拘ってこちらにした。」
★「コムテック、アルパイン、マックスウィンと比較をし、ミラー型も含め1ヶ月ほど悩んだが、どの機種であっても夜はどのみちナンバーは見えないし、日中の明るさと距離感の問題もあり、これらの問題のないマックスウィンは熱問題が解決されていないことで、ケンウッドを選択。本体はミラーに並べるように運転席横に配置。万一の際の操作性や電子サブミラーとして使用している。特に夜眩しく感じることもない。まだ使い始めだが、今のところ快調に動いてくれている。」
★「DRV-MR830を使っていたが、同じデザインで気に入っている。DRV-MR830から比べてボタンが全て右側になり、押し間違える。DRV-MR830は下にもボタンがあり、操作しやすかった。記録された動画は高精細だ。昼ならナンバーまで綺麗だ。夜もリアさえ街灯がなくても写っているし、ライト光を抑えてナンバーを識別できる。視野は広い。しかしモニター映像はDRV-MR830より悪い。昼間日差しがキツイ時は識別できない。記録画質は最高なのに、モニター画質はかなり悪いと感じる。」
★「画質は非常に良いと思う。晴天・雨天・曇天・夜間・昼間・トンネルなど、いろいろな天候で撮影したが、良く写っていると思う。SDカードを抜き出しパソコンに取り込み、再びそのまま差し込むとSDカードエラーが多発するが、差し込んだ後フォーマットすると大丈夫なようだ。振動検知の駐車監視も使っているがちゃんと記録されるようで、強風の日にも撮影されていた。(風で車体が揺れたのかもしれない) 駐車中、常に撮影し続ける機能は無いみたいだ。」
ケンウッド DRV-MR870の評価・まとめ
ここからは以上を踏まえ、私がDRV-MR870の評価をしてまとめてみましょう。
前後2カメラ式モデルが日本では主流となっていますが、多くのモデルはフロントカメラの画質を優先し、リアカメラはやや画質を落とした仕様になっていますね。
これは商品の価格を抑え、コストパフォーマンスを高めるため、ある程度リアカメラの性能を犠牲にした結果なのでしょう。
それを本機DRV-MR870は、ケンウッドのフラッグシップを名乗るため、どちらもSTARVISと同じレンズを搭載して、前後同等の画質を与えています。
全体的に昼夜を問わず、コントラストが高く明るい映像が記録されるのが良いですね。
ただし夜間は若干白飛び気味の傾向があるので、もう少しチューニングを上手く行うことで、より明解な画質へ向上させられるのではないかと思います。
また他機にない、SDカードダブルスロットを採用したのも正解でしょう。
370万画素 3Kの画質ともなれば、かなりメモリー量を必要としますから、少しでも長時間録画を行うなら必須の措置ですね。
ただし1スロット当たり、128GBのカードまでしか対応していないのが少し残念。
これだと両方で256GBまでしか対応しないことになり、1スロットで256GBまで対応できるモデルと、容量では同じと言うことになります。
もしも1スロット256GBまで対応できれば、両方で512GBまでOKになるので、そうすれば録画時間では最強のドラレコになったんじゃないでしょうか?
とは言え、2枚のうち1枚に不具合が出て録画不能になっても、もう1枚でカバーできるので、ダブルスロットはそれはそれで有効と言えるでしょうね。
また、煽り運転車の摘発に役立つAIセンシング機能。
煽り運転に遭遇したら自分で緊急ボタンを押して、その映像を別ファイルに収められるモデルは他機にもあります。
ただ実際にはその場面に遭遇すると、焦ってなかなか緊急ボタンを押す余裕などないでしょう。
それを自動で行ってくれるこの機能は、使える!と断言できますね。
総合的に評価して、決して安い価格とは言えないものの、機能・性能にこだわる上級ユーザーに取っては、とても頼れるドラレコになるんじゃないでしょうか?
3年間と言うメーカー品質保証期間が、それを最も証明しているに違いありません。
または
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