ドライブレコーダーの高性能化が進み、今では事故原因解明などに、十分効果があることが証明されています。
この影響もあって、ドラレコの装着義務化がささやかれていることを、あなたもご存知のことでしょう。
もし装着義務化が施行されれば、今まで以上に事故解明のスピードが図られるし、事故そのものも減ることが予想されますね。
とは言え、義務化されることによる問題が出ることも考えられるので、明日あさってに施行されることはないかも知れません。
では、ドラレコが義務化されるのは、いつからなんでしょうか?
今回は、このことに付いて述べてみたいと思います。
ドラレコの装着義務化はすでに施行されていた?
もしかしたらドライブレコーダーの装着は、すでに義務化されているなんて話を、あなたは聞いたことはないでしょうか?
それは2022年5月からだったと・・・。
いやいやその話、全く事実ではありませんよ。
2022年5月以降に発売される新型車に搭載が義務化されたのは、実はドラレコではなく、バックモニターのことなんです。
義務化されたのは乗用車だけでなく、トラックなど貨物、そして軽自動車も対象に。
なお、これ以前から販売されている新型車に付いては、2024年5月より装着が義務付けられる予定です。
中古車や、現在保有する車に付いては義務がありません。
つまりは、どうやらバックモニターの装着義務を、一部でドラレコの装着義務と勘違いした向きがあるようです。
ドラレコの装着義務が施行された事実は、2024年1月現在ありませんので、まだ付けていない方はご安心を。
ドラレコの装着義務はまだでも一部の車種ではすでに標準装備されている
クラウンのドライブレコーダー
ドラレコの装着義務はまだとは言え、すでに一部の新型車では、標準装備されているものがあります。
それは、トヨタのクラウンやプリウス、シエンタなどです。
本体はダッシュボードの中に内蔵されており、カーナビのディスプレイでモニターするスタイル。
またハリアーなどには、スマートミラー(トヨタではデジタルインナーミラーと呼ぶ)も用意され、ルームミラーでモニターするほか、録画機能も装備されています。
ハリアーのスマートミラー
どれも全く後付け感がなく(つまり違和感がなく)、今後のドラレコの姿を彷彿させるものになっているんですね。
まるで、義務化がいつ施行されても準備はOKだと、宣言しているようにも見えます。
では、この先ドライブレコーダーは、どんどん標準装備化が進むのでしょうか?
私の意見では、そうは簡単にはならないのではと思います。
それはなぜなのか、次の頁で述べてみましょう。
ドラレコが装着義務になることの問題点
ドラレコが装着義務になることで問題視されそうなのはまず車体価格が、より上がってしまうことでしょう。
ここ数年、車の価格がぐんと高くなっていることは、あなたもお気付きだと思います。
エアバッグが運転席と助手席側だけでなく、サイドエアバッグも装備される車種が多くなりました。
それから自動ブレーキ、オートライト(エンジンが掛かると自動で点灯するもの)も、当たり前の装備になっています。
カーナビもすでに標準装備に近いですしね。
さらにハイブリッド車・EVも普及することで、本当に車は高い買い物になりました。
この上にドライブレコーダーも標準装備になるとすれば、私など、もう車は買えないほどになってしまいます。
それから「ドラレコなんか、全く欲しくないよ」と言う人だって一定数存在します。
走行中の様子を録画されることで、ドライバーや乗員のプライバシーが侵害され、誰がいつどこへ車を走らせたかなんて記録も残ってしまうんですよ。
特に “不倫” など目論んでいる人なら、絶対ドラレコなどあって欲しくないハズです。
ま、そもそもそんなことなど、してはいけないんですけどね。(^^;
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カーナビはあるし、バックモニターも搭載されるし、ドラレコまでも標準装備されるしで、車はハイテクだらけに・・・。
バックモニターは後方直下の確認をするには便利ですが、一方でバックする際に、それに頼り切って後ろを直視することを忘れてしまいがち。
直視しないことで、車庫に入れる時の左右の間隔が分かりづらくなり、真っすぐに車を入れることが下手なドライバーが増える可能性があります。
もし、これらのようなハイテク機器が万が一故障したら、目的地まで、まともな運転ができない人だらけになってしまうかも知れませんよ。
それからそれから、これはドライバーには直接関係ないことですが、後付けドラレコのおかげで、取り付け業者の仕事が成り立っている現実もあります。
ドラレコが車の組み立て工場で取り付けられることで、この取り付け業者の仕事がなくなってしまうことも、懸念されるのではないでしょうか?
ドラレコ製造メーカーも、数が淘汰されてしまうに違いありません。
いろんな意味で、メリットだけではなくデメリットもあることで、直ちにドラレコ装備が義務化されることはないと私は考えています。
それでも、2030年頃までには、さすがに標準装備品となっているかも知れませんね。
結論
と言う訳で2024年1月現在、ドライブレコーダーが装着義務化される予定はありません。
ただ個人の肖像権の侵害があるにしろ、装着するメリットが大きい以上、近い将来義務化に向けて進むのは間違いないでしょう。
標準装備化が最も積極的なメーカーはトヨタですが、それでも現状で次々と新型車に搭載するかは未知数です。
なぜかと言えば、車のアクセサリーの中ではドラレコの消耗が大きく、最新のモデルでも使い方によっては、3年ほどで寿命を迎えてしまう可能性があるんです。
高画質・高機能を最優先に求めることで、どうしても耐久性に影響が出るんですね。
後付けモデルならば早くに寿命が来てしまっても、新品に取り替えれば出費はあるものの、事は足りるでしょう。
ところが標準装備されれば、ダッシュボードの中に組み込むため、容易に交換と言う訳にはいきません。
自動ブレーキを制御するADASのカメラを利用することで、メカニズムが複雑なんです。
また保証期間が過ぎていれば、大変費用も掛かります。
純正のアクセサリーに最も求められることは、耐久性が高く壊れないこと。
なので現在標準装備されているドラレコは、その代償として、どれも解像度が低く高画質ではないんです。
それこそ安価な後付けモデルの方が、高画質で機能も豊富だと思います。
もし今後技術が向上して、ハイクラスの後付けモデルほどに高画質で、寿命も10年くらい保証される純正品が登場するなら、問題なくどの車にも標準装備されることでしょう。
今はまだそこまで完成度が高くない以上、メーカーは次々とは標準装備しないのです。
そんな事情を踏まえて、国土交通省はドラレコの義務化に向け、様子を伺っているのではないでしょうか?
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