ドライブレコーダーで、いざと言う時の映像を確実に記録するには、できるだけ死角のない映像が撮れる機種を選ぶ必要がありますね。
1カメラ式より前後2カメラ式の方が、その点有利。
また前後2カメラ式でもフロントには360度カメラ、それにリアカメラを加えたモデルの方が効果的でしょう。
そんなコンセプトで新しく、こんなドライブレコーダーが登場しました。
それは「AKEEYO AKY-Z3GT PRO」です。
カメラを前後だけでなく、何と左右にも装備して4カメラ式としたモデルですよ。
一般に2カメラ式は前後の様子を記録できても、左右までは記録できません。
そこで左右にもカメラを追加して、死角をより少なくさせたモデルが本機なんですね。
今回はこのAKY-Z3GT PROを手に入れることができたので、マイカーに取り付け使用感をレビューし、評価してみたいと思います。
AKEEYO AKY-Z3GT PROの仕様・特徴
2カメラ式を超えた4カメラ式ドラレコとは、どんな仕様になっているのか気になることでしょう。
そこでまずAKY-Z3GT PROの商品セットの内容を、動画でお見せしたいと思います。
ご覧のようにAKY-Z3GT PROの大きな特長は、前後2カメラに加えて左右にサイドカメラを装備して、最大4カメラ式ドラレコとしたことです。
サイドそれぞれの直下は特に死角になりやすく、ドライバーの目で直接見ることは難しいですよね?
本機はそれを記録するだけでなく、モニターで監視カメラを見るように、確認することができる訳なんです。
複数のカメラ映像を同時に映し出すため、モニターは5.5インチの大型を採用。
ダッシュボードへ設置することを前提に、貼り直し可能な大型ベースが付属します。
小さなフロントカメラはガラスに貼りつけたり、映像を上下反転させられるのでひっくり返し、ダッシュボードに取り付けることもできて便利。
リアカメラはIP67防水仕様となっており、車内だけでなく車外にも取り付けられ、バックカメラとしての使用も可能です。
リアケーブルに付く赤い線をバックアップランプの端子につなげば、ギアをリバースに入れるのと同時に、バックに便利なガイドラインが表示されます。
2つのサイドカメラは、ドアミラーに貼るブラック色タイプと、ドアボディに貼るシルバー色タイプが好みに合わせて選べます。
どちらのサイドカメラも、もちろん防水仕様。
左サイドカメラ用ケーブルにある赤い線をウインカーの端子につなげば、ウインカーに連動してモニターに映像を表示できます。
全てのカメラセンサーはフルHD200万画素タイプで、前後のカメラの視野角は115度。
それほど広い視野をカバーしている訳ではありません。
電源は、付属のシガーアダプターで取ることができますが、本機には常時電源ケーブルも一緒に付いています。
このケーブルを使って接続することで、駐車監視機能を作動させられるので、ぜひこのケーブルを使ってみることをおすすめします。
私も今回、初めて常時電源ケーブルでの接続に挑戦してみました。
ちなみに本機の駐車監視機能は衝撃感知タイプで、駐車中にGセンサーが衝撃を感じると、自動的に17秒間録画されるしくみ。
録画された映像データは別ファイルに保存され、上書きされないようになっています。
GPSはZ3GT本体が大きめなのに、内蔵型ではなく外付けタイプです。
ユニットは別に、ダッシュボードなどに設置しないといけません。
本体の操作・設定はタッチパネルと、側面のボタンを使って行います。
主な設定はタッチパネルの操作だけで行え、しかも音声でコントロールできる項目もあります。
イラストのように、モニターのON/OFF・カメラの表示の切り替え、写真の撮影などが可能です。
では次の頁で、AKY-Z3GT PROの取り付けに入ることにしましょう。
AKEEYO AKY-Z3GT PROを実際に取り付けてみた!
AKY-Z3GT PROを取り付けるにあたり、まず本体をダッシュボード中央に設置しました。
本当は助手席前に置きたかったのですが、そこは助手席用エアバッグが内蔵されているので、ものを置くことは禁止されています。
かと言って運転席側にはスペースがなく、結局カーナビの上部に取り付けたのです。
フロントカメラは当初、フロントガラスに貼り付ける予定でした。
しかしケーブルが短く、本体から伸びる1本の太いケーブルの分岐点からカメラまでの長さが2mしかありません。
これでは長さが足りないので考えた末、ダッシュボードにある本体のすぐ後ろに取り付けることに変更しました。
リアカメラはAKY-720Sと同じもので、本体からのケーブル分岐点から、リアケーブルの長さは6.5mほどあります。
本体からリアカメラまで計8mほどあるので、ミドルクラスのワンボックスカーまでなら、何とか届く長さになるでしょう。
リアカメラ本体は防水仕様なので車外取り付け可能ですが、結線が手間になるので、リアガラス内側上部に取り付けました。
次にサイドカメラは2つともブラックタイプで、本当ならドアミラー下部に貼りつけるのが本来の取り付け方。
しかし取り付けるのが厄介だったことと、死角となる側面下方を写すより、横から迫る車輛や人物を映したい気持ちがありました。
そこで、ダッシュボード両端にそれぞれを取り付けた上に、レンズを外側横方向に向けて左右の映像を記録できるようにセットしました。
付属の常時電源ケーブルを使い電源を取るためには、このままではヒューズボックスとつなぐことはできません。
別途に低背ヒューズ電源とクワ型端子、そしてギボシ端子と検電テスターを近くの量販店で購入し、これらを使って接続しました。
接続作業そのものは難しくはありませんでしたが、余ったケーブルをまとめダッシュボードの奥に束ねる作業に手間取り、これだけで3時間以上時間を費やしてしまいました。
その代わり、足元にあったゴチャゴチャしたケーブルを綺麗に隠すことに成功。
ただ本体から伸びる太いケーブルやフロントカメラのケーブル、そして右サイドカメラとGPSのケーブルだけは、どうしても隠し切ることができませんでした。
写真のように、4本のケーブルがダッシュボードむき出しで見栄が悪いですが、こればかりは私にはどうにもできません。
これらを完全に隠すには、ダッシュボードの一部を外す必要がありますからね。
さて、一通り接続が終了したので、作動させてみることにしましょう。
始動・操作・設定の様子を映像にしましたので、動画をご覧下さい。
操作そのものは思いのほかスムーズで、設定はしやすいです。
5.5インチのモニターはIPSタッチスクリーンを採用して、映し出される映像はとても綺麗で、指タッチの反応も良くスクロールも素早いですね。
本体はカーナビの近くにセットしたものの、地デジにノイズが入ることはありません。
では次項で、実際に録画した走行映像をご覧に入れましょう。
AKEEYO AKY-Z3GT PROで録画した走行動画
ここでは、AKEEYO AKY-Z3GT PROで録画した動画をご覧いただきましょう。
初めに昼間、2つ目は夜間です。
本機で使われているのは “TS” ファイルです。
やや特殊なファイルなので、このままでは “Windows Media Player” や “映画&テレビ” ではまともに再生できません。
そこで、メーカーが推奨するビュアーソフト “DVPlayer” を使い再生します。
このビュアーソフトを介することで、4つのカメラ映像を1つずつ見たり、4つ一緒に再生することが可能です。
同時にGPS情報も表示するので、いつ・どこを走行したのかGoogle Mapより知ることができます。
ただし、実際のところは相性が悪いのか全体的にギラギラして、あまり鮮明な映像ではありません。
再生中にコマが止まったり飛んだりして、快適とは言えませんでした。
ならばと、今度はファイル変換ソフト用い “MP4″ に変換すると、スムーズに再生されるようになりました。
先ほどご覧になった走行動画は、”MP4” ファイルでアップロードしたものです。
さて画質に付いて評価すると、200万画素なりのもので、特に優秀な画質とは呼べるほどではなさそうです。
色もピントも良いのですが、エッジが立ち過ぎ、少しまだギラギラ感が残っています。
全体的に、もう少し滑らかさがあると目に優しいと思いますが、ドライブレコーダーとして不足するほどのものではなく、先行する車や追従する車のナンバーを読み取ることはできます。
STARVISは搭載されてはいないものの、夜間でも比較的明るく記録され、ヘッドライトのせいでナンバーが白飛びしないのも良いですね。
サイドカメラは、レンズにまともに太陽が入ると暗めに映ってしまいますが、順光であれば明瞭に見えます。
なお、各カメラは上下逆・正像・鏡像の切り替えが可能です。
しかしリアカメラに限り、モニター表示ををルームミラーのように逆像にすると、記録映像も逆像になってしまうので注意しないといけません。
AKEEYO AKY-Z3GT PROの評価
AKY-Z3GT PROは360度カメラを使わず、少しでも前後・左右の死角をなくし、映像記録できるようにしたドライブレコーダーです。
今では、前後を録画できるモデルはだいぶ普及していますが、それでも左右の様子までは録ることはできません。
その左右の死角をカバーするモデルとして、360度カメラを搭載したモデルが登場しましたが、本機はカメラの数を増やすことで他機との差別化を図りました。
360度タイプと比べれば死角は多いですが、画質が良いと言うメリットがあり、それが本機の強みですね。
しかし先述のように、カメラが4つもあると配線が増えるので、ケーブルをまとめる作業が大変になります。
本機の場合は本体が大きいので、せめてGPSは内蔵式にして欲しかったです。
そうすれば、ケーブルを1本少なくできますからね。
いずれにしろ、ケーブルが多いのは配線作業が増えるし、また目立ちやすいのもデメリットと言えるでしょう。
それでもAKY-Z3GT PROは、同時に3つのカメラ映像を映し出すことが可能です。
それはまるで、ビルの守衛室にある監視カメラのモニターのよう。
じっと見入ってはいけませんが、瞬時に3方向が確認できるのは安心感があります。
現状では同時に表示できるのは、フロント・リア・左サイドのみです。
でもアップデートすれば、リア・左サイド・右サイドの表示もできるとのことなので、後日行ってみようと思います。
それからカメラが4つあると、さすがにメモリー量が多いです。
本機に付属するSDカードは32GBで、明らかに容量不足。
せめて64GBをおごって欲しいものですが、これはユーザー側で大容量カードに交換処理をすべきものなのかも知れませんね。
前後の映像だけでは物足りなくて、万が一のために左右の映像も欲しいが360度タイプは嫌い、と言うユーザー向けのドラレコがAKY-Z3GT PROと言えるでしょう。
なおAKY-Z3GT PROは、4カメラまでは不要と言うユーザーのために、3カメラ・2カメラでも購入することができます。
スマートミラーではない大型モニターモデルがが欲しいユーザーにも、本機は選択肢の1つとなることでしょう。
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